米NVIDIAは1月12日(現地時間)、「NVIDIA Helps Retail Industry Tackle Its $100 Billion Shrink Problem」と題したブログ記事を公開し、NVIDIA AIによる小売店の問題解決について明らかにした。アメリカでは小売店において損失が膨らみ続けており、その65%がなんと盗難によるものだという。
National Retail Federationの調査によると、アメリカでは食品や生活必需品の価格上昇によって小売業者における盗難被害が大幅に増加。小売業界で発生する1000億ドルもの損失のうち、65%もの割合が盗難に占められているとしており、この問題への対応は避けて通れなくなっているという。
そこで、NVIDIAでは企業向けAIソフトウェアスイート「NVIDIA AI Enterprise」で対応策を模索。今回「Retail Loss Prevention AI Workflow」と称して、複数のソリューションを組み合わせた小売業者向けソフトウェアを発表した。NVIDIA AI Enterpriseで利用できるNVIDIA Retail AI Workflowsは下記の通り。
- Retail Loss Prevention AI Workflow:AIモデルが肉や酒、洗濯用洗剤など最も頻繁に盗難される商品を認識。チェックアウト時に客や販売員がスキャンした新製品を識別して取り込み、最終的にモデルの精度を向上させられる。
- Multi-Camera Tracking AI Workflow:複数のカメラで物体を追跡するシステムを構築する機能。対象物ごとに1つのIDを付与し、オブジェクトの移動を追尾する。
- Retail Store Analytics Workflow:カスタムダッシュボードを活用して店舗の人流、買い物かごを持った顧客の数、通路の占有率など店舗分析用のインサイトを利用できる。