大阪の老舗家電メーカー、象印マホービンが、実に17年ぶりとなるレンジ製品の新モデルを発売します。4人分のハンバーグなら約13分と短時間で調理できて、毎日の調理に活躍しそうなオーブンレンジです。

付属のボウルを浮かせて調理する

「本当に使ってもらえるオーブンレンジ」を目指して象印マホービンが開発したのが、今回の新製品「エブリノ ES-GT26」(以下、ES-GT26)です。9月上旬の発売予定、価格はオープン、推定市場価格は66,000円前後。庫内容量は26L、本体サイズは幅487×奥行399×高さ370mm(ハンドル含まず)となります。

  • 「エブリノ ES-GT26」。こちらはスレートブラック

  • こちらはホワイト

ES-GT26はマットな質感のデザインが印象的。カラーはブラックとホワイトですが、ブラックはちょっと青みがかっています。ハンドルも細めで一体感があります。

機能面の特徴は2つ。レンジとグリルを組み合わせた調理と、新発想のレンジ調理です。

まずは「新グリル調理“芯までレジグリ”」から。レンジで食材の中の温度を上げてから、自動でグリルに繰り替えて焼き色をつけるという調理方法です。グラタンやハンバーグなどの調理に活躍しそう。

「グラタンをオーブントースターで焼くと15分くらいかかります。ユーザー調査をしてみると、オーブンレンジでも15分程度で仕上がってほしいというニーズが浮かんできました。(一般的なオーブンレンジだと)グラタンなら26分、ハンバーグなら23分かかるところを、ES-GT26の『芯までレジグリ』機能ならそれぞれ各13分で仕上げます」(象印マホービン 技術開発室 稗田雅則さん)

  • 「レジグリ」に設定して調理スタート。レンジとグリルを自動で切り替えます

  • 先にレンジ機能を使って食材の中をしっかり加熱します

  • 続いてグリル機能で表面をパリッと仕上げ

  • 焼き色がしっかりついて、ふっくらとできあがったハンバーグ

  • ハンバーグやグラタンの調理を15分以内で行えることを目指して開発。グラタンは一度に4皿を調理できます

レンジ加熱とグリル加熱の順序を逆にすることもできます。

「厚での肉や大きめのハンバーグを調理する場合、肉の表面を焼き上げて旨味を閉じ込めてから、レンジで食材の内部の温度を上げます。この場合の調理時間は25分です。時間はかかりますが、肉の旨味を引き出し、ジューシーに仕上げます」(稗田さん)

グリルの時間を変えることによって、お好みで焦げ目の多い・少ないも調整可能。石英管ヒーターを使っているため、しっかりと焼き色がつきます。

  • 食材に合わせて、レンジ加熱とグリル加熱の順番を変えられます

さらに、中をレンジで温めながら表面をグリルで仕上げるという機能を使えば、揚げ物などの温めが上手にできます。温め用に「サクレジ」という専用キーを用意しているので、迷わず使えます。

市販のコロッケを温めたところ(約5分間)、中の平均温度は80℃に仕上がったとのこと。お皿に置いて温めるので、裏側の「サクッと感」はトースターのほうが上だったそうですが、それでも5分はなかなか短時間で便利です。

  • ダイヤルの横に「サクレジ」専用キーを用意

  • 揚げ物の温めは時間がかかりるものですが、ES-GT26新製品では市販のコロッケと鶏天ぷらが約5分で温まります

ボウルを浮かせると美味しく調理ができる!?

続いてユニークなのが新しいレンジ調理の「うきレジ」機能。食材を庫内に浮かせて調理することで、温めムラを抑えるというものです。

「ガラスボウルにカボチャを入れて、庫内の底に置いて煮物の調理をする場合を考えてみます。下方から出るマイクロ波が、ガラスボウルの底(庫内底面に接している部分)に集中して、できあがったときにガラスボウル内の上部が温まっていないと感じることがあるのではないでしょうか。そこで、ES-GT26ではガラスボウルに入れた食材ごと浮かせることで解決しました。全方位からマイクロ波を当てるため、温度ムラを減らして調理します」(稗田さん)

  • 容器を底面に置いたときのイメージ。下方からのマイクロ波が容器の上部に伝わりにくくなります

  • 容器を庫内で浮かせたときのイメージ。マイクロ波が庫内全体に伝わり、全方位から温めます

  • 付属の専用ボウルを使います

  • 付属するセラミック製の角皿レールに、専用ボウルをセット

  • 庫内に入れたら準備完了。これがボウルを浮かせて調理する「うきレジ」です

「レンジの庫内には、底面を中心に円などで食品を置く場所の目安を示していることがあります。これは基本的に赤外線センサーによって温めムラを抑えるためですが、使うときにいつも食品を真ん中に置くわけではありません。『うきレジ』は常に真ん中に食材を位置させるため、食材の温度をセンサーでしっかり見張れます」(稗田さん)

温度ムラをなくして全体を加熱するため、カボチャの煮物は4人分でも料理時間は10分。全体にまんべんなく火が通り、「レシピの開発では一度に作れる量にもこだわっていきたい」と稗田さん。ちなみに、デモではボウルの上に角皿を置いていますが、調理時はボウル上部にラップをかけることは必要です。

「うきレジ」は煮物料理などで使うメニューなので、たとえばごはんの温めは庫内に直接置きます。ごはんの温めは、冷凍ごはん用と、冷蔵ごはん用のメニューを用意しています。

  • ボウルの上部と中央部の温度差を検証

  • 4人分の「カボチャの煮物」、約10分で完成します

30cmのお皿が入る広い庫内

このほかオーブン機能は、100℃~250℃の調理が可能。茶碗蒸しのような低温で調理する料理から、焼きいものような高火力で作るレシピまで、幅広い料理に対応します。

  • お菓子づくりからおかず調理まで活躍

庫内はフラットで脱臭機能を備えています。庫内の側面と背面にはシリコン系塗装として、汚れの落としやすさにも配慮。庫内の間口は40.5cmと広く、大きめのコンビニ弁当も温められますね。

メニュー表示は扉に印刷するのではなく、スライド式のトレイを引き出して確認します。デザインの雰囲気を損なわない工夫です。

  • 大皿料理や大きなお弁当の温めも大丈夫

  • メニューは本体下部に隠せます。確認したいときはスライドさせればOK

「STAN.(スタン)」シリーズのオーブンレンジも

ES-GT26と同時に、「STAN.(スタン)」シリーズのオーブンレンジ「ES-SA26」も発売します。「レジグリ」「うきレジ」「サクレジ」といった機能は同じですが、「離乳食用ゆで野菜」メニューと、子どもの成長に合わせた離乳食を作れる別冊レシピブック(16メニュー)を同梱します。価格はオープン、推定市場価格は74,000円前後です。

「STAN.シリーズ」は、共働き・子育て世帯向けのシリーズ。インテリアに合わせやすいスタイリッシュなデザインが特徴です。これまで、ホットプレート「EA-FA10」、IHジャー炊飯器「NW-SA10」などを発売してきましたが、オーブンレンジは初登場です。

  • 右側が「STAN.シリーズ」で初となるオーブンレンジのES-SA26

オーブンレンジは使いこなすのが難しい? を解決する新モデル

一般的にオーブンレンジというと、クッキーやケーキなどが焼ける「オーブン」調理、焼き魚や肉料理が得意な「グリル」調理、温め中心の「レンジ」調理などの機能を備えています。機種によっては、スチームを使って蒸し料理ができるものもありますよね。最近は耐熱ガラス容器を使って、パスタ、カレー、副菜といったメニュー提案も目立ちます。

オーブンレンジは「いろいろな料理を作れる!」と期待して購入されることが多いのですが、象印の調査によると「期待して買ったものの思うように使えていない」と感じているユーザーもいます。時短調理に加えて新発想の加熱方式によって、こうした購入前後のギャップを解決するという今回のES-GT26。社内外から「オーブンレンジの新製品を!」という声にこたえ、数年かけて開発した象印マホービンの自信作です。

  • 多機能オーブンレンジは、レパートリーの広がりや時短を期待して買うものの、実際に使い始めてみるとギャップが生じることも

ES-GT26で調理したハンバーグを試食しましたが、ふっくらジューシーに焼き上がっていて、塩こしょうだけでも十分な味わい。調理時間が13分という短さなら、オーブンレンジでの焼き物が手軽にできそうだと思いました。

個人的には揚げ物の温めが5分という点にも惹かれます。おかずとして揚げ物を買ってくるときは、すぐに食事にしたいことが多いので、短時間で温められるのは魅力的。

「うきレジ」機能は調理体験こそしませんでしたが、耐熱ガラス製ボウルをセットしてみました。最初は戸惑ったものの、何度か使えば慣れます。カボチャの煮物を10分でできるなら、毎日の食事だけでなく作り置きにも役立ちそうです。ES-GT26はかなり気になるので、発売されたら実際に使ってみて、食事づくりが楽になるか試したいと思っています。

  • ES-GT26で作ったハンバーグを試食するマイナビニュース・デジタルの林編集長。「すごくジューシーでお肉の味もしっかりしていて、食べごたえと満足感がありました」(林)