飲み会やイベントの日程をオンラインで調整するためのWebサービスは、十数年前は多数存在していたが、最近はその数が非常に少なくなった。
スマホ対応を果たせなかった段階で複数のサービスが実質淘汰されたことに加え、またLINE上でつながっているメンバーであれば「LINEスケジュール」で用が足せるようになったことも、大いに関係していると考えられる。
とはいえ、LINEなどのアカウントを持っていなくても利用できるオンライン出欠サービスは、いまもニーズは多い。
ここでは、その代表格とも言える「調整さん」を始めとして、URLを参加者に送信して予定を登録してもらう仕組みをもつ、プライベートでの利用に向いた日程調整サービスを5つ紹介する。なおGoogleカレンダーなどと連携するビジネス向けのサービスは、今回は対象外としているのでご了承いただきたい。
わかりやすい操作が魅力のド定番サービス「調整さん」
「調整さん」は知名度ナンバー1といっていい定番の日程調整ツールで、幹事、参加者ともに会員登録不要で利用できる。
イベント作成時は全項目をひとつの画面で入力できるのでわかりやすい。候補日時はまず日だけを指定し、そのあと時間帯を手動で入力する方式ゆえややわずらわしい面もあるが、それゆえ他サービスのような1時間区切りや30分区切りといった制限もなく、細かなカスタマイズに対応する。
自身の入力前に別の参加者の予定もチェックすることもできる。イベント編集は作成時の端末でのみ可能で、会員登録を行うことで別端末からも編集が可能になる。
ぐるなびと連携して会場を探せる「調整丸」
「調整丸」は、ぐるなびが運営する日程調整ツールで、ぐるなびと連携して会場の候補を探す機能が用意されているのが他サービスとの大きな相違点。
イベント作成時に必要なのはパスワードのみでメールアドレスの登録は任意だが、ログインでの利用がしきりに促されるなど、「調整さん」に比べるとやや押しが強い印象だ。時間は30分区切りで、それ以上の細かい指定には対応しない。
参加者は会員登録不要で、自身の入力前に別の参加者の予定もチェックできるが、ほかの参加者の予定まで編集できてしまう点に注意。また幹事はすべての候補日時で予定が「○」として登録され、修正には再編集が必要になる点も、別のメンバーに代理でイベントを作成してもらう場合にやや不便だ。
“未定”や“希望”の日程も入力できる「トントン」
「トントン」は、幹事、参加者ともに会員登録不要で使える日程調整サービス。イベント作成時は全項目をひとつの画面で入力できるのでわかりやすく、参加・不参加のほか「未定」「希望」などの選択肢があるのも他にない機能だ。
コメントの追加、予定の再編集なども一通りの機能が網羅されているほか、時間帯選択もドラッグで行えるなど操作性も良好だが、時間帯が一日につきひとつしか指定できず、同じ日に複数の候補枠を表示できないのが、用途によってはネックになる。
参加者は再編集用のパスワードの登録が必須なのも、手軽さという点ではマイナス。更新は数年前からほぼ停止しており、スマホから使う場合はガラケーに最適化されたUIが表示される。
参加者同士の中間地点を会場として提案する「SYUUGO」
「SYUUGO」は、幹事、参加者ともに会員登録不要で使える日程調整サービス。参加者がそれぞれの最寄り駅を入力することで、その中間地点に当たる場所を会場として提示するユニークな機能を備えるが、路線を考慮せず地図上の位置関係だけで割り出しているためか、駅などがまったくない空白地帯が提示されることも。
候補日時は最大3つという上限があるほか、イベントの説明を入力できなかったり、参加者はほかの参加者の予定を見られなかったり、登録済みの予定の再編集機能がなかったりと、一般的な日程調整サービスに比べると機能には制限がある。スマホアプリも用意されている。
36時間以内に入力せよ! 早い登録を促す「時限調整」
「時限調整」は、幹事、参加者ともに会員登録不要で使える日程調整サービス。36時間という締め切りを設けることで早期の予定登録を促す仕組みが特徴となる。
イベント作成時の候補日は週単位でしか指定できないほか、時刻も1時間区切りであるなど全体的にざっくりとしており、詳細な日程を決めるよりも参加者の大雑把な空き状況を絞り込んでいく用途に向く。希望日時が少ない参加者を一時的に対象から外して候補を増やす機能も特徴的。
自身の登録を終えるまでは他の参加者の予定が見られなかったり、「○」「×」だけで「△」に相当する選択肢がないのも、他サービスとの相違点だ。イベントの編集は作成を行ったブラウザからのみ行える。