2021年12月19日にさいたまスーパーアリーナで行われた『Shadowverse』の世界大会「Shadowverse World Grand Prix 2021(WGP2021) GRAND FINALS」。2020年は新型コロナウイルスの影響により中止になったので、2年ぶりの開催です。そのため、2年分の招待選手48名が参加する大規模大会になりました。

注目すべきは賞金額。優勝賞金は過去最大の1億5000万円、賞金総額2億8000万円と、かなり高額です。その優勝賞金1億5000万円を手にしたのは、大学生のkakip選手でした。そこで今回はkakip選手へインタビューを実施。賞金を手にした感想や使い道、今後の目標などについて話を聞きました。

  • 「Shadowverse World Grand Prix 2021」で優勝したkakip選手

――WGP2021の優勝おめでとうございます。さっそくですが、現在の職業と年齢をお聞かせください。

kakip選手(以下kakip):年齢は20歳で、今は大学生です。

――『Shadowverse』はどのくらいの期間プレイしているのでしょうか。

kakip:プレイ歴は4年くらいですね。始めたきっかけは友達から誘われたからです。誘ってくれた友達もまだプレイしていますが、私ほどはプレイしていないですね。

――優勝してから環境や状況は変わりましたか。

kakip:環境はそれほど変わっていませんが、見られ方は変わってきたと思います。注目されるようになったので、下手なことはできませんし、SNSの発言も気を遣うようになりました。

プレイ面では、簡単にミスができなくなりましたね。これまでは、楽しみながら『Shadowverse』をプレイしていましたが、これから「チャンピオン」として見られると思うと、相応のプレイが求められる気がします。

――大学では話題になりましたか。

kakip:さすがに『Shadowverse』に興味がない人から注目されるようなことはありませんが、世界大会の翌日に大学へ行ったら、友人に「お前のことがLINEニュースに載っているぞ」と言われました。

――もともとWGPへ出場できる手ごたえはあったのでしょうか。

kakip:はっきり言って、WGPに出場できるとは思っていませんでしたね。一応、RAGEをはじめ、出場できるShadowverseの大会にはすべて出場していました。WGP2021の出場権を得た「RAGE Shadowverse 2021 Winter」までは、もっとも良い成績でギリギリ賞金がもらえる程度の順位だったので、さすがにRAGEでも優勝できるとは思っていませんでした。

――RAGEからWGP2021 Day 1&Day 2までの期間は1週間程度でした。対戦相手の対策をするには短すぎると思いますが、どういった作戦で臨んだのでしょうか。

kakip:RAGEで優勝して、WGP2021の出場権を得てからの1週間は、相当やりみました。ちょうどコロナ禍で大学に行けない状態だったので、それこそ1日中『Shadowverse』漬け。とはいえ、WGP2021は2年分の大会です。出場者が48人もいて、すべての人の対策を取るのは難しかったので、人対策はほとんどしませんでした。

どちらかと言うと、自分のプレイの練度を上げることを中心に行いました。RAGEとWGP2021との期間が1週間しかないので、優勝した流れのままWGP2021に突入した感じです。

――WGP2021の決勝戦を振り返ってみて、感想を教えてください。また、印象に残っている試合がありましたら、それも合わせて教えてください。

kakip:決勝の相手のnegima選手が強い選手なのは知っていましたが、大会での試合内容も相当ヤバいと思いました。実際、決勝戦で戦ってみて、そのうまさも十分に体感できました。

最初は私のミスで負けてしまったんですが、そのあと切り替えられたのはよかったですね。ミスをすると結構引きずるんですけど、初戦のミスは、最善手を打てたとしても結果的に負けていた内容だったので、逆にミスを引きずらずに済みました。

negima選手以外の試合だと、準決勝のMingiGod選手との対戦が印象的ですね。MingiGod選手とは予選で1度対戦して、そのときは負けているんです。なので、ここを乗り越えることが最大の課題でした。まあ、勝因は相手のミスだったので、実力で勝利したとは言えないんですけど。

  • negima選手とkakip選手による決勝戦

――WGP2021は久々のオフライン大会。しかもさいたまスーパーアリーナという大きな会場で、観客もびっしり入っていました。そういったいつもと違う状況はプレイに何か影響を与えましたか。

kakip:さいたまスーパーアリーナはすごかったですね。大会の初戦は緊張したんですけど、WGPだからというよりは、毎回大会の初戦は緊張するんです。準決勝からはそんなに緊張しませんでした。一番緊張したのはオープニングですね。ステージはすごく立派でしたし、観客もすごく入っていたので、ほかの選手も緊張していたでしょう。

  • 会場のさいたまスーパーアリーナは満員

――大会の賞金はもう振り込まれたのでしょうか。振り込まれたのであれば通帳を確認したときの感想を教えてください。

kakip:もう振り込まれていました。記帳して、何度も何度も数え直しました(笑)。振り込まれたあと、銀行の方からいろいろお話をいただきました。お金の使い方というか管理の仕方というか。

――宝くじの当選者にもそういった話があると聞きますね。実際にはどんな内容だったのでしょうか。

kakip:お金を3つに、5000万円ずつにわけるって話でした。貯蓄しておくお金、生活に使うお金、欲しいものを買うお金に分け、それぞれの目的に合わせた使い方をするって感じです。あとは、投資の話も出ましたが、そこらへんはまったくわからなかったですね。

――なるほど、目的ごとに分けて、どこの部分で使ったかわかるようにするんですね。優勝直後は賞金で高性能PCを購入すると話していましたが、PCは購入されたのでしょうか。

kakip:PCは買いました。あまり詳しくないのですが、GALLERIAのハイスペックモデルです。また、いつも『Shadowverse』の練習に付き合ってくれている友人にも同じ物を購入し、プレゼントしました。

あとはまだ何も買っていないですね。最近は、ふつふつと車が欲しくなってきています。車もあまり詳しくないので、どの車種ってものはないんですけど、見た目がカッコイイスポーツカーもいいかなと思っています。

――ご両親にはなにか贈ったのでしょうか。

kakip:両親にも何か贈りたいんですよね。ただ、何が欲しいのかよくわかっていないので思案中です。欲しいものを聞いてもいらないと言われてしまうので。

――ご両親は『Shadowverse』をプレイしているについて、応援してくれているのでしょうか。

kakip:WGP2021には来てくれていました。大会が終わったあと、「おめでとう」と言ってくれました。父親からは「なんで俺より稼いでいるんだ」って言われましたね(笑)。ただ、応援してくれるようになったのはつい最近。それより前は『Shadowverse』というか、ゲームをやっていることに関してはあまりよく思っていませんでした。

――WGP2021の優勝賞金は1億5000万円と、2018年に行われた「Shadowverse World Grand Prix 2018(WGP2018)」で優勝したふぇぐ選手の獲得賞金額1億1,000万円を上回りました。こちらについてはどう感じていますか?

kakip:ふぇぐ選手の記録を抜くことは考えていませんでしたが、ふぇぐ選手が到達したところまでは行きたいと思っていました。ふぇぐ選手とは面識はないので、会ってみたいですね。あ、ふぇぐ選手の著書は読みました。

――WGP2021を優勝したことで、俄然注目度が上がったわけですが、今後の活動について教えてください。まだ大学生ですし、『Shadowverse』以外で将来の目標とかもあるのでしょうか。

kakip:『Shadowverse』でプロ選手になりたいと思っています。希望を言えるのであれば、一番行きたいのはプロeスポーツチーム「G×G」ですね。『Shadowverse』のプロリーグは以前からずっと見ているんですけど、数あるチームの中でもっとも雰囲気が一番良いチームだと思います。

それ以外の活動としては、ちょっとずつですが、『Shadowverse』の動画配信を始めました。あとは、これまで通り、大会に出場していきたいですね。2022年はWorld Grand Prixがないので、最大の目標としてはRAGEの優勝ですね。

――ありがとうございました。

なお、「RAGE Shadowverse 2022 Summer」のエントリーを、2022年3月21日から2022年4月17日23時59分まで受け付けています。「我こそは」と思うプレイヤーはエントリーしてみてはいかがでしょうか。

RAGE Shadowverse 2022 Summer

【開催日】
オフライン開催の場合
予選大会Day1:5月14日(土)
予選大会Day2:5月15日(日)
会場:幕張メッセ1ホール

オンライン開催の場合
オンライン1次予選:4月30日(土)~5月1日(日)
オンライン2次予選:5月8日(日)
プレーオフ:5月15日(日)