SANKAは1月21日、家電事業への参入を発表。あわせて、サーキュレーターを内蔵したスチーム式加湿器、深紫外線で除菌できる空気清浄機、充電式の軽量コードレス掃除機の投入を発表しました。

  • SANKAが投入する家電新製品。サーキュレーター搭載のスチーム式加湿器、空気清浄機、コードレス掃除機が並ぶ

SANKAってどんな会社?

SANKAは、職人によるものづくり、特に工具や刃物など金物の町として知られる新潟県“燕三条エリア”に本社を構える複合製造企業。例えばファンヒーターなどで知られるコロナ、キッチン用品などを製造販売するパール金属はSANKAと同じ三条市、家電製品を製造販売するツインバード工業は燕市の会社です。

SANKAは1969年に創業し、2022年で52年目を迎えます。産業用の機械部品製造から始まり、園芸用品、土のう袋、生活用品、プラスチック製品などを手掛けてきました。近年は木製品にも幅を広げ、多様なジャンルの製品を製造できることが強みです。

  • SANKA 家電事業部の笠原裕二マネージャー

SANKA 家電事業部の笠原裕二マネージャーは家電市場への参入にあたり「“ものづくりスピリット”の延長戦として、家電事業に参入する。チャレンジャーである以上、従来品と同じものを出しても意味がない。独自のポイントを訴求していく」と強調しました。

それでは早速、発表された製品群を見ていきましょう。

サーキュレーター搭載のスチーム加湿器

発表製品の1つ、「サーキューレーター付パワースチーム加湿器」(SSH-8000)は、名前の通り、サーキュレーターを搭載したスチーム加湿器です。3月25日から直販サイトなどECサイトで発売し、価格は33,000円となります。

  • サーキューレーター付パワースチーム加湿器(SSH-8000)

加湿器の加湿方法には、スチーム式、気化式、超音波式、ハイブリッド式とさまざまありますが、スチーム式の加湿器とサーキュレーターの組み合わせは、業界初とのこと(SANKA調べ)。

一般的に電気代が他の方式よりかかることや、吹き出し口が高熱になる問題はありますが、熱から自然に水蒸気を生み出すため加湿能力が高く、かつ煮沸(高温)による消毒で衛生的に使えることから、SSH-8000の加湿方法として採用されました。詳細は後述しますが、吹き出し口が熱くなる問題への対策もなされています。

新開発のヒーターユニットが生み出す800ml/時間の高温スチームを、上部に据え付けられたサーキュレーターが拡散。部屋全体を急速に加湿できることが特徴です。同社の実験では、12畳の部屋の対角まで、40分弱で適切な湿度になったといいます。

  • 加湿器で使われる一般的な加湿方式の違い。スチーム式は加湿力や衛生面が高い

  • 高温スチームをサーキュレーターが拡散し、部屋全体にスチームを届ける「Hyper Hybridシステム」を採り入れた

スチーム式の加湿器では、仕組み上吹き出し口が熱くなることがありますが、SSH-8000では内部で発する高温スチームを、2段階に曲げた経路を作って温度を下げる、独自設計の「スチームバイパス機構」を内蔵しました。

一般的なスチーム加湿器では70度~80度程度のところ、SSH-8000では50度程度となっており、吹き出し口付近でのやけどの危険が低減しています。

  • SSH-8000の内部機構。2段階の“クランク”を設けた

  • 本体下部に水の過熱口を設け、2つのパーツでスチームの通り道を曲げることでスチーム温度を下げる

  • 吹き出し口付近に手を当ててもやけどしそうなほどの熱さは感じない(ただしさらに吹き出し口に近づけると高熱を感じるため注意したい)。もちろん吹き出し口には「高温注意」の但し書きがある

スチームの吹き出し口は2方向に分かれており、これはサーキュレーターの風に載せやすくするための工夫。適用面積は洋室22畳、和室13.5畳。消費電力は650W。連続加湿時間は約5時間(Hyper)~約20時間(Eco)。タンク容量は4Lです。

本体サイズはW335×D200×H390mm、重さは5.0㎏。加湿量をデジタル表示できるパネルも備えています。

  • タンク下部が水の出し入れ口。ひねって開ける方式で、手やスポンジを入れ内部を洗いやすいよう大口径になっている

  • 上部にタッチ式の操作パネルを搭載。風量やモード(Hyper、Eco)の切り替えなどが行える