2021年9月30日に「東京ゲームショウ 2021 オンライン(TGS 2021)」が開幕しました。基本的にオンラインイベントですが、「東京ゲームショウ 2020 オンライン」と異なるのは、プレスとインフルエンサー向けのオフライン会場を用意していることでしょう。当然、例年の会場と比較すると小規模。今回は、その中からデバイス系のブースをピックアップして紹介します。

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    TGS 2021のオフライン展示は、幕張メッセ「8ホール」のほぼ半分を使用。閑散としたイメージがあるのは、台風16号が接近していた2日目の開場直後のため。8ホールの残りは控室です。7ホールにはオンライン配信用のスタジオ等が設置されていました

「ガチ」と「カジュアル」の2ブランドを展示していたBenQ

BenQは現在ゲーミングディスプレイを2ブランド展開しています。1つはガチFPSプレイヤー向けの「ZOWIE」。高リフレッシュレートや、残像感軽減効果を生み出す独自技術「DyAC/DyAC+」などを搭載しているのが特徴です。最上位製品の「XL2546K(24.5インチ)」「XL2746S(27インチ)」ならば、応答速度0.5ms、リフレッシュレート240Hzを誇ります。

もう1つは、リフレッシュレートや応答速度より、解像度や没入感を求めるカジュアルゲーマー向けの「MOBIUZ」ブランド。発色性の良いIPSやVAパネルを使用し、フルHDだけではなく2K表示モデル、ワイドで湾曲したモデルなどをラインアップします。ゲーム向けにチューニングされた「Game HDRi」、動画向けの「Cinema HDRi」のモード、モニター下部に高品位なスピーカーを採用したtreVolo True Soundなどもアピールポイントでしょう。

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    BenQブース。手前がZOWIE、奥がMOBIUZの製品展示です。中央にはゲーミングプロジェクターがありました

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    ZOWIEは4製品を展示。写真は24インチの「XL2411K」です。144Hz表示に対応し、応答速度は1ms。アンチフリッカー技術として「DyAc」を採用しています

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    27インチの「XL2731K」は、リフレッシュレート165Hz表示に対応。応答速度は1msです。「DyAc」を採用しています

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    左右に没入用シールドがついているのが上位製品です。写真は24.5インチの「XL2546K」。リフレッシュレート240Hzに対応し、応答速度は0.5msです。アンチフリッカー技術は「DyAc+」に進化しています

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    こちらは27インチの「XL2746K」。こちらもリフレッシュレートは240Hz表示に対応し、応答速度は0.5msです。アンチフリッカー技術は「DyAc+」

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    MOBIUZの展示です。写真は27インチの「EX2710Q」。解像度はWQHD(2560x1440)と広く、IPS液晶で発色性もよく165Hz表示です。しかし応答速度はZOWIEと同じGtGだと2msと少々遅めでアンチフリッカー技術も入っていません。色域を高めるHDRiとスピーカー内蔵で設計思想が大きく異なります

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    27インチの「EX2710R」。解像度は2,560×1,440ドットのWQHDで、リフレッシュレートは165Hzです。湾曲型VA液晶を採用。1000Rとかなり大きく湾曲しています

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    「EX2710R」のサイズ違いの姉妹モデル「EX3210R」。スペックはほぼ同じで、31.5インチです

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    さらに広い「EX3415R」は、湾曲型のIPS液晶を採用。34インチで、解像度は3,440x1,440ドットです。マルチ入力による2画面表示にも対応していて、ゲームをしながらスマホの画像を表示させるといった使い方もできます。湾曲率1900Rで曲がりは小さめ

また、ゲーミングプロジェクター「TK700STi」も展示されていました。これは4K・60Hzの高解像度表示に加え、フルHD・240Hzの高リフレッシュレート表示にも対応したモードを搭載しているのが特徴です。会場はけっこう明るく、プロジェクターに適した環境ではありませんでしたが、3,000ルーメンの光源による映像は、キレイに映し出されていました。

なお、一般の人がTGS 2021のブースを体験できないこともあり、今回BenQでは特別なキャンペーンを用意していました。家電のレンタルサービス「レンティオ」にて、通常3泊4日で16,000円(送料込み)の「TK700STi」レンタルサービスが、2,500円(送料込み)でお試し利用できるというもの。10月3日のレンタル注文完了分までの期間限定で、一定の数量に達し次第終了するとのことでした。

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    展示されていた「TK700STi」。4Kでも60Hz、FHDなら240Hzに対応します

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    明るい展示会場でこれだけ光るのは3,000ルーメンの光源を内蔵しているから

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    クーポンコード「tgs2021benq-rentio」を入れるとお試しレンタルが超特価。25周年を迎える「東京ゲームショウ」にちなんで3泊4日で2,500円です。10月3日のレンタル注文完了分までが対象

ASUS ROGとイケアがタッグを組んだ! それぞれがブースで展示

2020年にIKEA(イケア)はゲーミング家具を開発すると発表しました。初めてゲーミング製品を手がけるにあたり、パートナーとして選んだのが、ASUSのゲーミングブランドROG:Republic of Gamersです。

最初は、イケアがASUSを選んだことに多少違和感を覚えたのですが、家具やデザイン、そしてより良い製品を安価に提供する生産体制を持っているイケアにとって、ゲーミング製品を完成品だけでなくパーツもほとんどすべて一社で提供するASUSはベストパートナーかもしれないと思うようになりました。

イケアのゲーミング家具は、中国で2021年1月に発売され、日本では2021年4月に発売。ROGとの共同開発で誕生した「UPPSPEL/ウップスペル」シリーズに加え、ROGとのコラボレーションから得られた知識に基づいてイケアが開発した「HUVUDSPELARE/フーヴドスペラレ」、「UTESPELARE/ウーテスペラレ」、「MATCHSPEL/マッチスペル」、「LÅNESPELARE/ローネスペラレ」、「GRUPPSPEL/グルッスペル」の計6シリーズ25製品でスタートしました。TGS 2021で展示されていたような、関連製品を集めた提案型の「ゲーミング展示」も順次全国のイケアショップで行われるそうです。

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    イケアのブース。イケア店舗の「環境提案」をそのまま持ってきましたという感じです。ノベルティの入った袋もイケアおなじみの「BRATTBY」でした

今回展示されていたゲーミング関連製品のうち、大注目製品が電動昇降機能付きの「ウップスペル ゲーム用デスク」です。イケアには電動昇降機能付きのデスク「ベカント」、「イドーセン」シリーズがありますが、それらは単に「上げる」「下げる」のボタン操作でした。

ウップスペルは、「上げる」「下げる」のボタン操作だけでなく、「現在の高さ(72~120cmまで調節可能)」をLED表示で視覚的に確認できる機能と、ワンタッチ操作で設定した高さに自動調節できる4つのプリセットボタンを搭載。また、コントローラー横に電源用USBポートを設置しているほか、裏面に大型のケーブル収納トレイを用意しています。

価格は、奥行き80cm、幅140cmのタイプで79,770円、180cmのもので84,990円。電動昇降機能が付いている割にはリーズナブルです(下のベースが70,000円で、それに天板を組み合わせます)。

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    イケアが提案する「黒のゲーミングパソコンルーム」。イケアの店舗に行った人はわかると思いますが、多少の小物以外はすべてイケア製品。パソコン関係はROGの製品です。中央の椅子が日本で先行展示のグルッスペル。電動昇降式テーブルは10月1日に発売です

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  • 電動昇降機能付きのデスクはイケアですでに販売されていますが、ウップスペルの場合、操作パネルが数倍大きくなっています。LEDで表示されている数字は現在の高さ。一番低くすると72cm程度で、一番高くすると120cm。横の「1」「2」「3」「4」がプリセットボタンです。右の赤いボタンを押してからプリセットボタンを押すと、現在の高さを記録します

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    既存のデスクとの違って、天板の下に大型ケーブル収納トレイが用意されています

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    天板は数センチの絞りが入った長辺があります。耐荷重は70kg

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    下の昇降ユニットと天板を購入して組み立てるスタイルです

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    ウップスペルはROGとの共同開発ということで、マウスパッド等で見られる模様が随所に入っています。デスクの場合脚にプリントされていました

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    こちらが「白いゲーミングパソコンルーム」イメージ。電動昇降デスクは黒モデルしかないので、こちらはウーテスペラレのライトグレーモデル(12,990円)を使っていました。組み立て時に66~78cmの範囲で固定します。電動昇降モデルのホワイトも用意してほしいところ

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    ほかのゲーミング家具類も展示してありました

ゲーミングチェアは、現在フーヴドスぺラレ(4,999円、12,990円)とマッチスペル(15,990円)の2シリーズを展開していますが、TGS 2021で先行展示していたモデルは、2022年に発売される新シリーズのグルッスペル。価格は発売時に発表されるそうですが、調整カ所が多いミドルスペックモデルのため、既存モデルよりもやや高くなりそうです。どれもイケアのゲーミングチェアは、押しの強さがなく、普段使いできそうなデザインです。

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    2022年発売予定のゲーミングチェア「グルッスペル」。ヘッドレストの高さと位置、アームレスト、バックレストの高さを調整可能

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    最大にリクライニングするとここまで倒れます。リクライニングは無段階で固定可能

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    グルッスペルは、アクセントラインのあるベージュとグレー以外に黒レザーを加えた3モデル構成で販売される予定

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    現在販売中のほかのゲーミングチェアも展示されていました。フーヴドスぺラレの安価なモデルはアームレストも固定されています

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    フーヴドスぺラレの合皮風モデル。画像のグレーモデル以外に黒モデルがあります

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    現行製品では一番高い(と言っても他社のゲーミングチェアよりも断然安価)のマッチスペルは、ヘッドレストとアームレストが調整可能

ROGの展示もイケアと同じ白と黒基調

ROGの展示ブースはイケアの向かいにありました。担当者に聞くと「場所は狙った」とのこと。展示では、イケアのゲーミングデスクのウーテスペラレとゲーミングチェアのマッチスペルを使っており、タッグを組んだ感じです(それぞれ機材の相互貸し出しをしたそう)。パソコンはゲーム配信を意識した「ゲーミングデスクトップと配信用ノートパソコン」を主体にしたものでした。

白いパソコンは、ガンダムケース、ガンダムマザー、ガンダムグラボとガンダムクーラー……などを使用。そして、パソコンを組んだのは、『機動戦士ガンダム』でアムロ・レイを演じる声優の古谷徹氏です。しかも、サイン入りという世界に1台のレアアイテム。ちなみに、同じパソコンを組めるのか聞いたら「今、GPUが欠品です」とのことでした。

さらに、ガンダムモニターにガンダムWi-Fiルーターとアイテム数が半端ないと思ったら、このシリーズ、ASUS本社である台湾で企画されたそう(Wi-Fiルーターは赤いザクモデルも展示されていましたし、ザクモデルのマザーボードもラインアップされています)。

白いパソコンがIntel CPUなのに対し、黒いパソコンはAMD CPUを使用。大型のデスクトップは先のガンダムケースの元になったモデルですが、モニターは32インチの「近日発表予定」の4Kゲーミングモニターでした。

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    ROGブース。左側にイケアブースがあり、机と椅子にイケア製品を使用していました

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    白コーナーは白いパソコン。しかもRX-78の文字が!

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    古谷徹氏のサイン入り「ガンダムパソコン」。水冷クーラーも、GPUもケースもマザーボードもガンダムコラボ!

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    マザーボードの裏にプリント。メンテナンスホールからしか見えないっておしゃれなのでしょうか?

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    ケースもROGの白ケースではなく、ガンダムコラボでハンドルがガンダム

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    ガンダムコラボなので、フロントパネルもガンダム

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    マザーボードのバックパネルもガンダム

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    ディスプレイもガンダムで、後ろから見てもタダものではない感があります

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    ついでにWi-Fiルーターもガンダム、電源もガンダム

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    展示だけでしたがWi-Fiルーターはザクモデルも。担当した人は徹底的にやりまくった感があります

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    スペック表など飾りですと言いたいところですが、電源を含めROGのパーツはすべてGUNDAM EDITION。現在欠品のビデオカードの再入荷が気になるところ

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    白いほうに毒気を抜かれてしまったのですが、こちらのパソコンも十二分にパワフル

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    黒いパソコンはAMD仕様ということで、CPU/GPUともにAMD製です

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    32インチ、4K解像度で144Hzと結構よさそうな「ROG Swift PG32UQX」は、近日発表とのことです。画面下部のロゴはOLEDで表示内容を自由に変更可能

もう1つ、妙にスリムなパソコンが展示されていました。これは「Mini-DTXマザーボード」を使ったBTO製品で、ツクモから2021年10月下旬に発売とのことです。さらにスリムにさせるため、Mini-DTXケースにマザーボードを傾けて収納していることもあり「自作だと工作難易度が高い」そうですが、BTOならば好きなスペックで組み上げてもらえるのでよさそうです。

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    DTXは、AMDが策定したマザーボード規格で、ざっくりいうとMicroATXからさらにスロット2つ分スリムにしたもの。Mini-DTXはMini-ITXからスロット1つ分広くしており、大型GPUを搭載するならば比較的コンパクトなマシンになります

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    このケースはさらにスリムにさせるためにマザーボードを傾けて格納。これだけ奥行きの短いケースはなかなかありません