地球環境について考える日「アースデイ」(Earth Day:4月22日)に向けて、米Googleが「Google Earth」のタイムラプスを更新し、1984年から2020年まで37年間の地球表面の変化を3Dビデオで観察できるようにした。同社によると、「2017年以来、最大のGoogle Earthのアップデート」だ。
Google Earthタイムラプスは、時間の経過による地球表面の変化をタイムラプス動画で表示する機能。2013年に1984年〜2012年までの画像によるタイムラプスを公開。2016年に1984年〜2016年のデータにアップデートしていた。そして今回、1984年〜2020年までのデータに拡大し、さらにこれまで2Dのみだったタイムラプスに3D表示を追加した。2Dと3D、時間軸のGoogle Earthタイムラプスを、Googleは「インタラクティブな4D体験」と表現している。
利用するには、Google Earthを起動し、サイドバーにある船の舵輪のようなアイコンから「Voyager」内の「Google Earthのタイムラプス」を開き、ストーリー、おすすめの場所、または検索を利用する。
例えば、アラスカ南岸のストーリー「温暖化する地球」では、コロンビア大氷原が崩れてプリンス・ウィリアム湾に流れ込み、氷河が急速に北へと後退する温暖化の影響を実感できる。米ワイオミング州の「エネルギーの源」では、世界最大の石炭鉱床が広がる北アンテロープロシェル鉱山において表層採掘が進む様子を確認できる。日本のおすすめの場所で提案される羽田空港では、近年の拡張やD滑走路の建設などが表示される。
Googleはタイムラプス動画をGoogle Earthに追加するために、1984年から2020年までに撮影された2400万枚以上の衛星画像を収集。Google Cloudの数千台のコンピュータで200万時間以上の処理時間を要して、20ペタバイトの衛星画像を4.4テラピクセル規模のビデオモザイクに変換した。これは4K解像度で530,000ビデオに相当し、地球で最大のビデオであるとしている。これらの処理はカーボンニュートラルで、全ての電力が再生エネルギーのデータセンターで行われた。
Googleは研究者や教育関係者、政府機関、メディアなどが利用できるように、800本以上の2Dおよび3Dのタイムラプス動画をGoogle Earth Engineのサイトからダウンロードできるようにしているほか、YouTubeでも公開している。