米Qualcommは12月1日 (現地時間)、Snapdragon Tech Summitの1日目のキーノートで、5G対応ハイエンド向けモバイルチップセット「Snapdragon 888 5G Mobile Platform」を発表した。第3世代の5Gモデム「Snapdragon X60 5Gモデム-RFシステム」を搭載。AIエンジンを刷新し、イメージ処理性能を強化した。なお、スペックやCPU/GPU性能などプラットフォームの詳細については、昨年と同様に2日目のキーノートで明らかにすると見られている。
1年前に発表したSnapdragon 865は5Gモデムを内蔵せず、X55 5Gモデム-RFシステムとの組み合わせで構成されていた。Snapdragon 888はX60 5GモデムRFシステムを統合、ミリ波とSub6の主要な5G向け周波数、5Gキャリアアグリゲーション、SA (スタンドアロン)、NSA (ノンスタンドアロン)、DSS (ダイナミックスペクトラムシェアリング)をサポートする。
第6世代のAIエンジンは完全に再設計した「Hexagon」プロセッサを搭載し、演算能力が26TOPSに向上した。消費電力を抑えて常時オンのAI処理を可能にする第2世代の「Sensing Hub」を採用しており、電力効率も前世代から大幅に向上している。
画像処理の「Spectra ISP」は、2.7ギガピクセル/秒のビデオ撮影、または1秒間に12メガピクセル解像度で約120枚の写真撮影が可能。これは前世代と比べて最大35%の高速化であり、Snapdragon 888がコンピューテーショナルフォトグラフィを進化させ、スマートフォンをプロフェッショナル品質のカメラに変える基盤になるとアピールしている。
スペック発表の注目ポイントの1つになりそうなのがグラフィックスだ。「Adreno GPUのパフォーマンスで最も大きなアップグレードになる」としており、そのグラフィックス性能の向上を活かした新機能を第3世代の「Snapdragon Elite Gaming」に追加した。アップグレード可能なGPUドライバ、Desktop Forward Rendering、最大144FPSのフレームレートなど、2018年の登場からSnapdragon Elite Gamingはスマートフォンのゲーミングを進化させてきた。例えば、OnePlusとEpic Gamesは、Snapdragon Elite Gamingの機能を用いてOnePlus 8シリーズで「Fortnite」を90FPSで遊べるようにした。Snapdragon 888世代では、PCやゲーム機とモバイルのゲーミング体験がさらに近づくと期待できる。