米Googleは11月17日 (現地時間)、Webブラウザ「Chrome 87」の安定版の提供を開始した。ここ数年で最大のパフォーマンスの向上をもたらすアップデートだ。また数週間中に、タブ検索、「Chrome Actions」、「Cards」といった新機能のロールアウトを開始する。
パフォーマンスの向上は、バックグラウンドのタブ管理の改良によって実現した。バックグラウンドのタブがシステムリソースを消費する原因を調査した結果、その40%以上がJavaScript Timerの動作だったことが明らかに。Chrome 87では、JavaScript Timerの起動を1分に1度に絞り込み、アクティブなタブを優先した。内部テストでは、CPUが最大5倍効率的にタブを扱えるようになり、バッテリー駆動時間が最大1.25時間長くなった。このアクティブタブへの絞り込みは、音楽再生や通知といったバックグラウンド機能には影響しない。また、Chrome OSとMac用に実装しているOcclusion TrackingをWindows用に追加した。ユーザーが利用しているウインドウやタブをChromeが把握し、利用状況にリソースを最適化させる。それによって起動が最大25%、ページロードが最大7%高速になり、メモリー使用量も少なくなった。
「タブを固定」したり、「グループ」で整理するなど、複数のタブを開いたままChromeを利用しやすくなっているが、タブ検索は開いているたくさんのタブへのアクセスを容易にする。タブ検索をクリックすると、ドロップダウンメニューで開いているタブのリストが表示され、検索機能で絞り込める。Chrome OSからロールアウトを開始し、他のプラットフォームに拡大していく予定。
Chrome Actionsは、アドレスバー (omnibox)で利用できるアクション機能へのショートカットだ。例えば、「delete history」と入力し始めると、タイプ中にアクション候補として「Clear Browsing Data」が表示され、ワンクリックでブラウザのデータ消去の設定にアクセスできる。他にも、「Open Incognito Window」や「Update Chrome」「Manage Passwords」など、最初のアクションセットはプライバシーおよびセキュリティ関連のものになる。
Cardsは、最近訪れたページや関連するコンテンツなどをカード形式で新規タブページに表示する機能。ギフト探しやレシピ探しなどで、ユーザーが再び訪れそうなページや参考になりそうなページを提示する。まずはショッピングと料理から実験的に提供し始め、来年初めにはエンターテインメントの追加を計画している。