前回の「ドラレコ人気に大変動、車内や側面も撮れる360度タイプが急伸」に引き続き、今回もオートバックスの旗艦店であるA PIT AUTOBACS SHINONOME(東京都江東区東雲)にカーナビの売れ筋を尋ねました。
最近は、スマホのナビゲーションアプリの普及や、ディスプレイ付きオーディオを標準搭載するクルマが台頭する気配などがあり、後付けカーナビの売れ行きは落ち着いているともいわれます。ですが、同店のカーライフアドバイザー・千野直克氏は「音質や大画面を重視する人や、スマホアプリよりも高精度なナビゲーションが欲しいというニーズは根強くあります」と語ります。
これからカーナビを導入するにあたり、賢く製品選びをするコツを3つ挙げてもらいました。
- 走行中によく見るスケールで地図表示を見比べるのが大事。直感的に見やすいものを選ぼう。
- スマホとの連携やYouTube鑑賞、BD鑑賞など、つながれるコンテンツの種類も比較したい。
- カーシェアやレンタカーの使用が多い人には、ポータブルタイプを選ぶ手もある。
以上を踏まえて、最近の売れ筋トップ5を紹介していきましょう。
※記事内で掲載している価格は、2019年10月30日14:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:HDMI入出力対応で7万円台の「楽ナビ AVIC-RW710」
一番人気となっていたのは、パイオニアのcarrozzeriaブランドに属する7インチモデル「楽ナビ AVIC-RW710」でした。BluetoothやHDMI入出力に対応し、税込み価格は7万6780円となります。
「HDMI入出力対応モデルとしては最安クラスで、この価格帯としては高画質なところも好まれています」
第2位:7型のスペースに入れられる9インチ大画面「Strada CN-F1XVD」
2位は、パナソニックの「Strada CN-F1XVD」。380車種以上に搭載できるスイングタイプの9インチディスプレイを採用したモデルで、税込み価格は16万2800円となります。
「スペースの制約で7インチ画面しか入らないクルマでも使えることがあり、大画面を求める人にお勧めすることが多いです。やはり少しでも大画面で表示したいという人が多いですから。Blu-ray Discにも対応しているので、映像を楽しみたい人にも向いています」
第3位:スマホを介さずネット動画が楽しめる「サイバーナビ AVIC-CQ910-DC」
3位は、パイオニアの9インチモデル「carrozzeria サイバーナビ AVIC-CQ910-DC」がランクインしています。2019年10月に登場したばかりのモデルながら、「docomo in Car Connect」対応のネットワークスティックを同こんした製品を中心によく売れているとのことです。税込み価格は21万7800円。
「前シリーズの8インチから画面サイズが大きくなったうえ、1年間は月額通信料金なしで使えるネットワークスティックが付いてくるので、スマホを介さずにネット動画が楽しめます。2年目以降も、1年プランなら年額1万2000円で使えてWi-Fiルーター代わりにもできるということで、勢いよく売れていますね」
第4位:レスポンスのよさが評価される「彩速ナビ MDV-M906HDW」
続く4位は、JVCケンウッドの7インチモデル「彩速ナビ MDV-M906HDW」です。画質の美しさに定評があり、テレビ鑑賞を重視する人にも支持されているとのことですが、それ以上にレスポンスの良さが決め手になることが多いそうです。税込み価格は9万8780円。
「タッチパネルの反応も目的地検索も素早いので、ストレスフリーで使えます。また、カーナビでハイレゾ音源に対応した一番最初のメーカーということで、音と映像を重視する方にも人気がありますね」
第5位:ハイエースのオーナーに支持される「フローティング ビッグX11 XF11Z」
5位に入ったのは、アルパインの「フローティング ビッグX11 XF11Z」。11インチの大画面で、税込み価格は21万7800円となります。特に、ハイエースのオーナーに指名買いされることが多いとか。
「ハイエースは通常8インチまでしか入りませんが、このモデルなら搭載できます。街で使う商用車としてハイエースを使う人が多く、市街地の詳細な情報が大画面で表示できることで評判になっていますね。あとは、曲がる3つ手前の信号機からカウントダウンする独特のナビゲーション機能を好んで選ぶ方もいらっしゃいます」
はみ出し情報…ポータブルナビで人気の「MOGGY YPB735ML」
レンタカーやカーシェア、職場で空いた車両を使う人には、ポータブルナビが安定した人気があるそうです。なかでも最近よく売れているのは、ユピテルの7インチモデル「MOGGY YPB735ML」とのこと。税込み価格は2万6180円です。
「日英中韓の4カ国語で表示と音声ナビしてくれるので、海外の方にも好まれています。日本の地図で日本語以外の表示に対応しているものは、意外に少ないんですよね」
著者プロフィール
古田雄介
フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『死とインターネット』(Kindle版)、『ここが知りたい! デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。