BBV Tokyoは2月6日に、eスポーツチーム「BBV Tokyo」を設立した。チームを運営するBBV Tokyoは、2017年にカリフォルニアで設立された「Be Blue Ventures(BBV)」という企業を母体とする事業会社。BBVでは新規事業開発のほか、ベンチャー投資や企業コンサルティングを主な業務内容に挙げており、今回はそのBBVのプロジェクトの1つとして、eスポーツ分野に乗り出す形だ。
BBV Tokyoの取締役には田村淳さん
実はこのBBV、お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳さんが共同代表を務めている企業。田村さんはeスポーツチームを運営するBBV Tokyoでも取締役に就任している。
なぜ、田村さんはeスポーツの分野に参入しようと思ったのか。チームの設立発表会において、同事業に参入した理由を次のように語った。
「2018年にラスベガスで開催されたeスポーツイベント『EVO』に足を運んだのですが、観客の熱狂ぶりを目の当たりにして、その流れは日本にもやってくると確信しました。また、障害の有無や年齢、性別を問わず対等に勝負できるところもeスポーツの魅力だと思います。これからきっとeスポーツの時代が来るはず。そこで、自分がタレントとして手に入れたものを、新しい時代のために使っていきたいと考え、eスポーツへの進出を決めました」(田村さん)
さらには、自身がゲーム好きであるという理由も相まって、田村さんはeスポーツの世界に参入することを決意したのだという。
また、今回立ち上げた「BBV Tokyo」には、まだeスポーツでの実績がないにもかかわらず、JR東日本スポーツ、不二家、野村證券、東京タワー、徳真会グループがスポンサーに名乗り出た。eスポーツの将来性やBBVの成長性に対する期待の表れだといえよう。
「プレイで感動を与えられる選手を育てたい」
チーム立ち上げ時に所属するプロ選手は10名。『CoD BO4』部門のリーダー、あいちぇん選手をはじめ、夏山いちか選手、アリシゼーション選手、こーしー選手、だずま選手、ゆふな選手、ものくろ選手、『FIFA 19』部門のそでりおん選手、『FORTNITE』部門のびっと選手、ズーカー選手だ。
発表会では、あいちぇん選手と夏山いちか選手が登壇し、それぞれ意気込みを述べた。
「高校生からゲームを始めたので、ゲーム歴は浅いですが、みんなから応援されるようなチームを作りたいと考えています」(あいちぇん選手)
「ゲームを仕事にすることが夢でした。精一杯頑張ります」(夏山いちか選手)
また、よしもとに所属する「裏切りマンキーコング」の風次さんがゲストとして登場。「BBV Tokyo」のプロゲーマーの実力をはかるべく、実際にコールオブデューティーを対戦してみせる、という予定だったのだが、機材トラブルの影響で対戦はかなわなかった。
なお、「BBV Tokyo」では引き続き選手を募集しており、田村さんは「ゲームの強さはもちろん、プレイで人を感動させられるようなゲーマーを育てていきたいですし、採用していきたいと考えています」とチームに求める人材像を述べた。
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日テレやよしもとなど、影響力のある団体が参加しつつあるeスポーツ業界だが、著名なタレントが自分で事業を立ち上げ、応援していくチームというのは珍しいのではないだろうか。
発表会では「eスポーツを盛り上げたい」と語っていた田村さん。チームの運営のみならず、eスポーツイベントの開催や新規ユーザーを取り込む企画など、持ち前の行動力の高さを発揮したeスポーツ事業の展開を期待したい。
(安川幸利)