NHKや民放各社が12月1日から放送をスタートする「新4K衛星放送」。どうやったら視聴できるのでしょうか? また、気を付けるべき点は? シャープが11月24日に発売する4Kチューナー内蔵レコーダー「4B-C40AT3」「4B-C20AT3」を使って、新4K衛星放送を視聴する方法や注意点を分かりやすく解説してくれました。
4Kテレビだけじゃダメ!?
まず、新4K衛星放送から説明していきましょう。新4K衛星放送とは、2018年12月1日からBS・110度CSで始まる新しい放送のことで、高解像度(ハイビジョンの4倍の画素数である3,840×2,160ドット)、高輝度、広色域が主な特長です。
どんなチャンネルがあるのかというと、右旋(説明は後述)を使った放送としてNHK BS 4K、BS朝日4K、BS-TBS 4K、 BSテレ東4K、BSフジ4Kが2018年12月1日から、BS日テレ4Kが2019年12月1日からスタートします。ところで"右旋"とは、いったい何のことでしょうか?
新4K衛星放送は、右旋円偏波と左旋円偏波という2種類の電波で提供されるのです。いまBS・110度CS放送を視聴できている家庭のほとんどは、「4Kチューナー内蔵の4K対応テレビ」、もしくは「4Kチューナー非搭載の4K対応テレビ+4Kチューナー」「4Kチューナー非搭載の4K対応テレビ+4Kチューナー内蔵レコーダー」のいずれかを購入することで、新4K衛星放送の右旋BS(BS朝日やBS-TBSなど)を視聴できます。では、左旋の放送は?
左旋BSではWOWOW(2020年12月スタート)など、左旋CSではJ SPORTS(1~4)などの放送を予定しています。左旋の放送を受信するには、4K対応テレビや4Kチューナーのほか、「右左旋の両方に対応したアンテナ」や「新4K衛星放送で使われる周波数、3,224MHz対応のブースターや分配器などの周辺機器」が必要で、おまけに「電波が漏洩しない対策」を施す必要もあり、業者を呼ぶ必要があります。
アンテナ交換となると大きな手間に思えますが、A-PAB(放送サービス高度化推進協会)では2018年11月現在、戸建住宅に限って改修工事にともなう助成金の申請を受付中です(集合住宅の改修工事に関しては、申請の受付が一時的に中断しています)。詳細はA-PABのホームページをご確認ください。
ちなみにここ2、3年で自宅にBS・110度CSアンテナを新設した家の場合、アンテナが右左旋の両方に対応している可能性があるそう。自宅のアンテナが右旋のみか、右左旋の両方に対応しているかは、アンテナに記載があるとのこと。自宅の屋根に上がるのは危険がともなうため、近くの電気店に依頼するのがいいかもしれません。電気店によっては無料で診断してくれます。
AQUOS 4Kレコーダーの特長
さて、シャープの新製品である4Kチューナー内蔵レコーダー「4B-C40AT3」「4B-C20AT3」の説明に入りましょう。シャープがアピールするポイントは3つ。1つめは、新4K衛星放送を視聴・録画できる「BS4K・110度CS4Kチューナー」と「大容量ハードディスク(4B-C40AT3は4TB、4B-C20AT3は2TB)」を搭載していることです。せっかくの4K放送なので、できれば画質は落とさずに録画したいところですよね。ハードディスクの容量が4TBの4B-C40AT3では、4K番組を4K画質のままで262時間も録画可能。さらに2モデルとも、外付けハードディスクにも対応しています。
2つめは、ハードディスクに録画した4K番組を、4K画質のままブルーレイディスクに残せる「4Kダビング」機能を備えていること。3層100GBのブルーレイディスクなら約6時間20分、4層128GBなら約8時間10分のダビングが行えます。なお、1枚のブルーレイディスクに4Kや2Kなど、画質の違う番組を混在させることも可能です。
3つめは、高画質とされる「Ultra HDブルーレイ」の再生に対応していることです。シャープによれば、BDレコーダー全体の需要は2018年現在、200万台を少し超えたところ。このうちUltra HDブルーレイ対応機は40万台前後ですが、シャープでは2020年度にBDレコーダー全体の約半数がUltra HDブルーレイ対応になると予測しています。新4K衛星放送と直接は関係ありませんが、こうした先を見据えた機能を搭載することで、長く使えるように設計してある点も大きなポイントになっています。
このほか新製品では、4Kテレビに適した文字フォントを使用するなどして番組表や録画リストの見やすさ、使いやすさを向上させています。地味なアップデートですが、日常的に使う機能なので、こうした配慮は製品の印象にも大きく左右してきます。
一度見たらもう戻れない
新4K衛星放送はまだ放送開始前ということで、市場の盛り上がりは穏やか。ですが2018年12月1日以降のユーザー動向には要注目でしょう。筆者は実際、新4K衛星放送の試験放送を見て、元の画質には戻れないほどの衝撃を受けました。視聴者としては、新4K衛星放送の番組内容の充実にも期待したいところです。
冬のボーナスの使いみちがまだ決まっていない人は、4Kテレビ関連製品が有力な選択肢の1つになるのではないでしょうか。2019年のラグビーW杯、2020年の東京オリンピックも準備万端で臨めるでしょう。