富士フイルムは9月6日、レンズ交換式のミラーレスデジタルカメラ「X」シリーズの新製品「FUJIFILM X-T3」を発表した。9月20日より発売する。価格はオープン。推定市場価格(税別)は、ボディのみが185,000円(税別)、ボディとレンズ「FUJIFILM X-T3/XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」のキットが235,000円(税別)

  • FUJIFILM X-T3

    「FUJIFILM X-T3」のボディカラーは、ブラックとシルバー。従来、特別色だったグラファイトシルバーに変更を加えて、標準色のシルバーとして新たにラインナップ。写真の装着レンズは「FUJIFILM X-T3/XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」

「X」シリーズの第4世代モデルとなる小型軽量のミラーレスカメラ。センサーに新開発の2,610万画素裏面照射型「X-Trans CMOS 4」を採用し、受光性能が向上。独自のカラーフィルタ配列により、モアレや偽色を抑制する。位相差画素数は216万画素に増加し、像面位相差AFエリアを画面全域に拡大。ろうそくの灯りのような光量の少ない環境でも、像面位相差AFでの撮影を可能としている。

  • FUJIFILM X-T3

    ブラック

  • FUJIFILM X-T3

    シルバー

画像処理エンジンは「X-Processor 4」を搭載。4基のCPUによって、現行機種の約3倍という処理速度を実現した。演算アルゴリズムも改善され、AF/AEサーチ回数を増加させたことで、動きの激しいスポーツなどでも正確にフォーカシングができるようになった。

顔検出性能も向上し、「瞳AF」はAF-C設定時でも利用できるようになっている。横顔など、顔検出や瞳AFが難しいシーンの合焦精度も向上。動画撮影時の顔検出/瞳AFにも対応した。

撮影モードの新機能として、動きのある被写体をとらえやすい「スポーツファインダーモード」を搭載。「プリ撮影」機能にて、シャッターボタン半押し時から撮影を開始し、シャッターボタンを全押しすることで撮影画像が記録されるので、決定的な瞬間を逃さない。

  • FUJIFILM X-T3

    背面の操作系と液晶モニター

また、これまで中判ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX 50S」のみ備えていた「カラークローム・エフェクト」機能も搭載した。より深みのある色調・階調が再現可能になっている。「フィルムシミュレーション」には新たに「モノクロ調整」機能が追加された。

連写は、ボディ単体でメカニカルシャッターを用いての約11コマ/秒に対応。従来モデルで必須だった別売りの縦位置バッテリーグリップが不要となった。電子シャッター利用時では30コマ/秒のブラックアウトフリー高速連写も行える。背面モニターはタッチ対応の3型104万画素で、3方向のチルトに対応。電子ビューファインダー(EVF)は、ファインダー倍率が0.75倍、画素数が369万ドットと高精細。

優れた動画性能

動画撮影機能は、4K/60P 4:2:0 10bitのカメラ内SDメモリーカード記録に対応。APS-Cサイズ以上のセンサーを搭載したミラーレスデジタルカメラとしてはじめて(富士フイルム調べ)、4K/60P 4:2:2 10bitHDMI出力にも対応している。

  • FUJIFILM X-T3

    4K/60pの動画を200Mbpsもの高ビットレートで記録可能

記録形式は、MOV(H.264/MPEG-4 AVC)のほか、H.265/HEVCもサポート。4K/60P 4:2:0 10bitの映像を200Mbpsのビットレートで記録できる。なお、2018年中のファームウェアアップデートによって、国際標準規格(ITU-R BT.2100)の一つ、ハイブリッドログガンマ(HLG/Hybrid Log Gamma)方式での動画撮影に対応する予定だ。

そのほか主な仕様は、撮影感度がISO160~ISO12800(拡張モード時:ISO80 / 100 / 125 / 25600 / 51200)。記録方式は静止画がJPEG / RAW、無線機能はIEEE802.11b/g/n対応無線LANとBluetooth 4.2に対応。

記録メディアにはSD / SDHC / /SDXCメモリーカードを利用でき、電源にはリチウムイオン電池「NP-W126S」を使用。静止画撮影枚数は390枚。本体サイズはW132.5×D58.8×H92.8mm、重量は約539g(バッテリー、SDメモリーカード含む)。

別売りアクセサリー

縦位置バッテリーグリップ「VG-XT3」(「X-T3」専用)

防塵・防滴・耐低温-10度に対応。バッテリーを2個内蔵可能で、レリーズボタン、フォーカスレバー、「AE-L」ボタン、「AF-L」ボタン、コマンドダイヤル、Qボタン、Fnボタンを備える。

  • FUJIFILM X-T3

    縦位置バッテリーグリップ(装着イメージ)

レザーケース「BLC-XT3」(「X-T3」専用)

本革製ボトムレザーケース。ケースをカメラに装着したままバッテリー交換が可能。ラッピングクロスが付属する。

ハンドグリップ「MHG-XT3」(「X-T3」専用)

ホールディング性を向上させ手ブレを低減するハンドグリップ。ハンドグリップを外すことなく電池やSDメモリーカードの交換が可能。底部はアルカスイス互換のクイックシューを使用する際のプレートとしても使用できる。

カバーキット「CVR-XT3」

「X-T3」専用のカバーキットで、シンクロターミナルカバー、ホットシューカバー、縦位置バッテリーグリップ用端子カバー(ブラック)、縦位置バッテリーグリップ用端子カバー(シルバー)などで構成される。

リモートレリーズ「RR-100」

2.5mm 端子を持つリモートレリーズ。カメラのシャッターボタンと同様に、半押しするとピントの合焦、押し込むと撮影する。シャッターボタンをスライドさせてロック可能。L 字変換ケーブルがセットになっている。