ドワンゴは、同社が主催していた最強コンピュータ将棋ソフトを決める大会「将棋電王トーナメント」を、2017年の第5回をもって終了し、2018年の開催はしないことを発表した。

「将棋電王トーナメント」は、2013年11月、プロ棋士と最強コンピュータ将棋が対戦する「将棋電王戦」に出場するソフトを決める大会としてスタートし、2017年まで5回にわたり開催された。統一したハードウェアで勝ち抜いた優勝ソフトは「電王」の称号が与えられ、プロ棋士との対局を通じて、将棋界の発展および人工知能と人間の共存共栄について考察する機会となっていた。

このたびドワンゴは、同大会を2017年の第5回をもって終了とし、2019年からは、コンピュータ将棋協会が主催する「世界コンピュータ将棋選手権」へのさらなる協賛という形でサポートしていくことを決定した。同選手権では、新たに「ドワンゴ賞」を設定し、1位から3位までの入賞者に賞金を贈呈するという。これにより、同選手権では20年ぶりの賞金が贈呈されることとなった。

コンピュータ将棋協会の瀧澤武信会長は、次のようにコメントしている。

「2019年5月開催の『第 29 回世界コンピュータ将棋選手権』に、ドワンゴ様からご協賛の一部として賞金が提供されることになりました。初めてご協賛いただいたのは 2011年開催の第21回で、2014年開催の第24回からは連続6年にわたりご協賛いただくことになります。世界コンピュータ将棋選手権の模様がプロ棋士の解説付きでニコニコ生放送により中継されたこともあり、参加者が増えてきています.トッププロ棋士との電王戦および将棋電王トーナメントは惜しまれながらも解消されてしまいましたが、20年ぶりに賞金が出される、トッププロ棋士を越えたコンピュータ将棋同士の戦いにご注目ください。」