「写真甲子園」こと全国高等学校写真選手権大会の第25回大会が、北海道・東川町を中心としたエリアで開催されました。7月31日~8月3日に本戦が開催され、和歌山県立神島高校が「平成最後の暑い夏」を制しました。神島高校は昨年も優勝しており、2連覇を達成したことになります。

  • 優勝した神島高校のメンバー。左から松下莉子さん、平坂瑠菜さん、岡田あかりさん。右は恵納崇監督。このうち、松下さんと平坂さんは昨年の優勝メンバーです

写真甲子園は、全国の高校生を対象としたフォトコンテストで、各校で3人1組がチームとなって複数枚の写真をまとめた組み写真で競いあう内容です。全国513の高校から応募があり、全国大会となる本選には19校が進出しました。

本戦の撮影は3日間にかけて行われ、1回2時間ほどの撮影タイムが1日2回(最終日は1回)の計5回で撮影を実施。毎日、異なるテーマと撮影エリアが設定されるのが特徴です。テーマに基づいて8枚1組の組み写真を仕上げて提出し、本人たちのプレゼンを経て審査が行われます。審査は毎日公開した形で行われ、最終日の審査を経て優勝校が決定されます。

「写真の町」として力を入れている北海道・東川町は最終日の撮影の舞台となり、初日が美瑛町と上富良野町、2日目が旭川市と東神楽市がそれぞれ撮影エリアとなっていました。「人の多い街中」「北海道らしい自然」という多様な環境で、各校が写真の腕を競いあいました。

  • 各高校のメンバーは、自然豊かな北海道を駆け巡って撮影を楽しんだ

3日間のテーマは、初日が「色(カラー指定)」、2日目が「光(モノクロ指定)」、3日目が「自由(フリー)」で、カラーとモノクロの指定がされたのは写真甲子園としては初めて。2日目には「25回目で初めて夕日が撮れる」(立木義浩氏)という、夕方の時間帯での撮影時間が設けられるといった新たな試みも行われました。

審査員は、写真家の立木義浩氏を審査委員長とし、同じく写真家の長倉洋海氏、鶴巻育子氏、公文健太郎氏、フォトキュレーターの小高美穂氏、北海道新聞社写真部次長の野勢英樹氏の6人で構成。

立木氏によれば「逆転劇だった」という神島高校の優勝。3日目のファイナル審査で審査員をうならせた作品で、見事優勝に輝きました。松下莉子さんは「自由」のテーマにおいて、「光を見る練習を1年生からしてきて、人を撮るのが好きなので、光と表情を見てもらいたくてモノクロを選びました」とコメント。平坂瑠菜さんは「(優勝した)昨年よりも走り回ってやりきった感があります」と喜びを見せました。岡田あかりさんは「思っていた以上に楽しくて、北海道の人がみんないい人で、色んな人に出会えてよかったです」と、人々との交流が写真に好影響を与えたことを語りました。

  • ファイナル審査で見事に神島高校が逆転して優勝。最後まで各校とも大接戦だったようだ

準優勝は神奈川県立横浜清陵高校、優秀賞の5校には香川県立坂出商業高校、愛知県立豊橋南高校、埼玉県立芸術総合高校、沖縄県立浦添工業高校、東京都立総合芸術高校が選出されました。本誌では、詳細な現地レポートを後日掲載する予定です。