CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)傘下のトーンモバイルは7月24日、iPhone用の格安SIM「TONE SIM (for iPhone)」をアップデートし、子どもの見守り機能を強化すると発表した。連れ去りなどの犯罪に備えて、子どもの居場所や移動の状態を見守る機能を強化するとともに、居場所を細かく確認されるのを嫌がる高校生などに向けてプライバシーに配慮した「ゆるやか見守り」を追加する。

販売拠点も増強する。7月25日からトーンモバイルを取り扱う全国のTSUTAYAで販売するほか、8月以降はカメラのキタムラの一部店舗でも販売を開始する。TONE SIM(for iPhone)を新規で契約した人に対し、高速チケット3GB分をプレゼントするキャンペーンも用意する。キャンペーンの期間は7月25日~8月31日。

  • 競合のMVNOにはない独自性のあるサービスや製品を矢継ぎ早に投入することで話題を集めるトーンモバイル。iPhoneで使える格安SIM「TONE SIM(for iPhone)」初の大幅なバージョンアップを実施する。パッケージを手にするのは、トーンモバイルの石田宏樹社長

アップデートの1つが、見守り対象者の移動状態を細かく検知できるようになること。対象者が止まっているのか、歩いているのか、乗り物に乗っているのかを地図上で確認できるほか、乗り物で移動している際は通知を送ることも可能。いずれも、トーンモバイル独自の行動把握エンジンにより状態を確認できるようになったという。

見守り対象者の現在地表示を市町村の区分までにする「ゆるやか見守り」も新たに追加する。見守りの対象者が高校生など、自主性やプライバシーをある程度確保したいと考える人に向く。すでにAndroid版のTONEファミリーで提供しているが、今回iOS版にも提供することとなった。

ほかには、見守り対象者が利用するiPhoneのバッテリー残量が少なくなった場合、保護者のアプリに見守り可能時間の見積もりを通知するバッテリー残量アラートや、歩きスマホを検知した場合に通知を送る歩きスマホ通知機能なども追加する。IP電話を利用するTONE電話がiOS標準の着信画面に対応し、標準の電話アプリの通話履歴にも表示されるようにした。

トーンモバイルによると、iPhoneの使いすぎを防ぐ機能がOSに搭載される次期OS「iOS 12」の発表を受け、TONE SIM(for iPhone)の仕様変更を進めているという。秋のiOS 12の正式リリース時には、さらに大幅なバージョンアップを実施する予定。

  • iOS 12では、iPhoneの利用状況を確認する「Screen Time」という機能が追加される。よく使うアプリの種類や利用時間が表示されるだけでなく、使えるアプリの種類や時間を制限する機能も備わる