キヤノンのEOS Kissシリーズ初のミラーレスカメラとして登場した「EOS Kiss M」は、これまでのEOS Kissから大幅な小型軽量化と機能強化を図ったモデルです。現行の一眼レフでもっともコンパクトな「EOS Kiss X9」から買い替える価値はあるのでしょうか? 前回の外観編に引き続き、2台の性能を比較してみました。
ファミリーフォトや趣味の写真を気軽に楽しみたいのなら、キヤノン「EOS Kiss」シリーズは有力な選択肢です。フィルム時代から続くレンズ交換式カメラのロングセラーであり、コンパクトなボディとシンプルな操作性、安定感ある画質、リーズナブルな価格などが特徴となっています。
私自身、休日の家族スナップ用カメラとして、昨年夏に「EOS Kiss X9」を購入しました。APS-Cサイズの有効2420万画素センサーを搭載した、当時のシリーズ最新モデルです。購入してからの満足感はとても高く、本来の目的である家族写真だけでなく、趣味や仕事用のサブカメラとして現在まで幅広く有効活用しています。
そんなEOS Kiss X9ユーザーである私にとって、どうしても気になって仕方ない新製品があります。今年3月に発売された「EOS Kiss M」です。EOS Kissシリーズでは初となるミラーレスカメラであり、ミラーを省くことで大幅な小型軽量化を果たしたモデルです。EOS Kiss X9に比べて一回り以上小さく軽くなったボディを手に取った瞬間、「今すぐ買い替えたい!」と感じたことは偽らざる本音です。
しかし、昨年買ったばかりのEOS Kiss X9からわざわざ買い替える意味は本当にあるのでしょうか? 一眼レフのEOS Kiss X9とミラーレスのEOS Kiss Mは何がどう違うのでしょうか? 本稿では2台を比較し、その違いを明らかにしていきたいと思います。
なお、EOS Kiss X9ユーザーという私情が絡んでいるため、客観的な分析というよりは、個人的な好みや使い方を反映した内容になることは、どうかご容赦ください。