2017年に「"聴きながら、コミュニケーション"を可能に」というキャッチフレーズで世に送り出した有線イヤホン「ambie sound earcuffs」が好評を博していたambieより、ファン待望のワイヤレスモデル「ambie wireless earcuffs」が登場。その発売日となった4月5日、東京・虎ノ門エリアに新たに誕生したオシャレスポット、TREX TORANOMON CAFÉにて発売を記念したパーティーが開催されました。
ambieのイヤホンは、耳をふさぐことなく音楽が楽しめるという新感覚なもの。耳たぶを挟み込む形でイヤホンを装着するため、耳の穴をふさぎません。そのため、音楽再生中でも周囲の音や声を聞きとれ、人との会話も可能です。
パーティー会場では、実際に「ambie wireless earcuffs」を試すことができ、来場者の多くがその装着感を確かめていました。筆者も実際に試してみたところ、独特な装着スタイルですが、コツさえつかめばカンタンに取り付けられるようになりそうです。
いうなれば耳の縁をクリップで挟んでいるようなものですから「長時間の装着は痛いのでは?」と考える方も多いと思うのですが、筆者は耳の厚みが薄いせいか装着感はあるものの、痛みは感じませんでした。
さて、イヤホンの肝心要といえばその音です。筆者は普段、耳深くまで入り込むインナーイヤータイプのイヤホンを使用し、「音楽に没入したい」という嗜好の持ち主なのですが、「ambie wireless earcuffs」の音は例えるなら「純喫茶みたいな空間」だなぁと感じました。
音楽はあくまでも周りの雰囲気に色を添える存在であって、相対する人との会話を邪魔しない。そういった気遣いを感じさせてくれました。音楽を楽しみたいけれども、周りの音や声を聞いていなければならない時もあります。シーンに合わせてイヤホンをファッションのように着替えるという使い方こそ、「ambie wireless earcuffs」に合っているのではないでしょうか。
有線モデル「ambie sound earcuffs」のユーザーが招待された今回のパーティーでは、ambieでイヤホンの開発、デザインを手がける三原良太氏のプレゼンテーションが行われました。
三原氏は、昨今急成長している定額制音楽配信サービスの登場によって、音楽を楽しむスタイルが変化しているのではないかと分析。音楽を環境として楽しむ"ながら聴き"の時代にシフトしているのではないかと述べます。
以前はイヤホンにしろスピーカーにしろ「聴き入る」スタイルで、聞き手側にもジャンルやアーティストのこだわりがありました。けれど今は音楽ストリーミングサービスのプレイリストを使って、たとえば「泣ける楽曲シリーズ」「アゲアゲで盛り上がれる楽曲シリーズ」といったふうに、ユーザーの感情やシーンに合わせて花を添えるように、音楽を"ながら聴き"するスタイルが一般的なのではないか、ということですね。
従来のイヤホンでは自分だけに音楽が聞こえるかわりに、周囲の音を遮断してしまう。スピーカーでは周囲の音を遮断しないかわりに、周りの人にも音楽が聞こえてしまいます。
しかし、ambieはイヤホンのように自分の耳だけに音楽を届けつつ、スピーカーのように周囲の音は遮断しない。「聴きながら、聞こえる」という新しい音楽体験を提供できるイヤホンだと語りました。
「聴きながら、聞こえる」という体験は多くのユーザーから支持され、より良い"ながら聴き"環境の構築を模索するなか、ユーザーから求められたのはケーブルという縛りから解き放ってくれるワイヤレス化だったそう。そうして誕生した「ambie wireless earcuffs」は、耳への負荷が少ないネックバンド型とし、連続6時間の音楽再生を可能とするバッテリーを搭載しました。
音声がクリアになる通話品質「HD Voice」対応の通話機能や、着信をさりげなく伝えてくれるバイブレーション機能など、他のワイヤレスイヤホンに引けをとらない機能がギュッと凝縮されています。そして、イヤーチップにも改良が施されました。快適性を損なうことなく、イヤホンを装着した状態でケーブルを引っ張られても心配ない仕様となったそうです。
プレゼンテーションに続き、ビームス社長室新規事業部の児玉正晃氏、CINRAのカルチャー情報サイト「CINRA.NET」編集長の柏井万作氏をゲストスピーカーとして迎え、トークセッションが行われました。
音楽を楽しむ環境や文化の変化などで話がはずみ、「今またポッドキャストが脚光を浴びている。ながら聴きに適しているからでは」(柏井氏)や、「先日出掛けた雪山登山でambieを使用した。雪山の魅力のひとつに無音を楽しむというものがあるのだけれど、ambieは無音を楽しみつつ音楽も楽しむことができた」(児玉氏)と、昨今の"ながら聴き"事情やambieの実体験が語られました。
「実際に手に取って"ながら聴き"を体験してもらいたい」と話し、三原氏はパーティーを締めました。今後どのような"ながら聴き"スタイルを提案してくれるのか、楽しみですね。