MVNO事業「OCN モバイル ONE」を運営するNTTコミュニケーションズは、ネットワーク回線への取り組みに関する説明会を開催した。コストとも直結するトラフィック対策はどのように行われているのか。
トラフィックは年々急上昇中
まず日本全体のブロードバンドトラフィックと、モバイル回線におけるトラフィック(いずれも下り方向)を比較すると、全体の伸び率が31.6%であるのに対し、モバイル回線は42%超と、上がり幅は急激になっている。こうした傾向は世界的なものであり、シスコの予想では2021年には、モバイルトラフィックは2016年の7倍にまで膨れ上がると予想され、そのおよそ8割がYouTubeなどのビデオトラフィックだと考えられている。
少し古いユーザーにとっては、パケット消費の大きな動画コンテンツは固定回線で見るべきものという印象が強いが、最近のスマホネイティブな子供達はモバイル回線で好きな動画を楽しむことに躊躇しないようだ。
OCN全体として見ても、一人当たりのトラフィック量は年間20%の伸び率で増加しており、ユーザーも容量の大きなプランに移行しつつはあるものの、トラフィックの伸び率には追いついていないため、何らかの対策が必要だとした。
ちなみにOCNのトラフィックは、およそ10%程度のヘビーユーザーがトラフィックの大半を占めており、約半数のユーザーが占めるトラフィックは全体の数%にすぎないという。またプロトコル別に見るとGoogleがYouTubeのモバイル版アプリに採用したUDP改良版「QUIC」が伸びてきており、YouTubeなどの動画配信コンテンツがいかに人気を集めているかがわかる。
ただ、一口にトラフィック問題といっても、大きく分けるとネットワーク全体のトラフィック上昇と、少数のヘビーユーザーが帯域を占有していることの2つに分けられる。前者については設計帯域を見直して増設したり、新技術の採用によるコスト低下など事業者側の自助努力、それとユーザーへWi-Fiなどへのオフロードをお願いするといった対策が必要だ。