前作『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』(以下『MGSV:TPP』)から2年。その優れた操作性やグラフィック品質はそのままに、新たなゲーム性を付与されたスピンオフとして生まれ変わった『メタルギア サヴァイブ』。

正直なところ、過去作とのストーリーやキャラクター的な繋がりは少ないので、過去作を一切遊んだことがない人でも問題なく遊べます。……が、「メタルギア」という名前が与えられている本作ですから、どちらかと言えば「メタルギアは好きだったけど、今作はどうなんだろう?」と迷っている人の方が、内容が気になっているんじゃないでしょうか。

  • 「メタルギア」の名を継ぐスピンオフ作だけに、ファンは気になります

『MGSV:GZ』のエンディングから始まるストーリー

『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』で、スネークは米軍基地からチコとパスを救出してマザーベースへ帰還。するとマザーベースはXOFから襲撃を受けており、兵士達はスネークを逃がすため、マザーベース上で応戦していた。

と、ヘリに乗っていたスネークたちのその後を描いたのが『MGSV:TPP』なのに対し、マザーベース上で闘っていたひとりの兵士のその後を描いたのが本作。主人公はマザーベース上に開いた異次元への扉(ワームホール)へ吸い込まれそうになるも、左腕を吸い込まれたところでワームホールが閉じ、左腕は失ったが現世に留まることができた……というのが本作のプロローグ。

  • 『MGS:GZ』EDや『MGS:TPP』OPでも見た、スネークがヘリコプター上から応戦しているシーンは、今作でも観られます

  • スネークは無事に逃がすことができたが、マザーベース上で死を予感する主人公(女性キャラを作ることもできますが、スネークへのリスペクトでヒゲ顔に)

この時、左腕を失うと同時に未知の生命体に寄生された主人公。その後、寄生された体の治療法の発見と、仲間の救出を目的にクリーチャーが巣くう異次元の世界へと乗り込みます。

  • 一度は死んだと思われていた主人公。未知の生命体に寄生されたことで、再び息を吹き返します

  • 主人公たちに襲い掛かってくる怪物「クリーチャー」は、首から下は人間と同じ。背骨の先端……首の位置に、赤く光る結晶が生えている

敵を倒して、動物は倒して調理して、水も汲んで…

次に、肝心のゲーム内容がどう変化したのか。要素が多いゲームなので、一度に全部を説明しても混乱されるでしょうから、キモとなる部分を解説させていただきます。

ベースキャンプを中心にAIポッドの指示に従って探索範囲を広げていき、フィールド内にいるクリーチャーと戦闘したり、一方で自分の食物や飲料水を確保するというのが基本的なサイクル。

プレイヤーキャラクターのパラメータに「空腹」という要素があるのは、『メタルギアソリッド3』以来ですね。

  • メイン画面。小さくて見づらいですが、プレイヤーキャラの左側に表示されている「44%」がお腹の空き具合で、「88%」が喉の渇き具合

クリーチャーと戦闘した際、自分のHPがゼロになったらゲームオーバーになるのは一般的なアクションゲームと同じ。ですが本作では、これに加えて空腹と喉の渇きにも注意を払い、野生動物を狩猟したり、水場で空のビンに水を汲んでおくという要素もあります。そう、本作のタイトル「サヴァイブ」という言葉の意味がわかってきましたよね?