発表会ではまず、富士フイルム株式会社 代表取締役社長 COOの助野健児氏が登壇。同社の2017年第三四半期までの売り上げは「対前年比40%増」と語り、その一端はインスタントカメラ「チェキ」と、プロフェッショナル向け「GF-X」を含む「Xシリーズ」が好調なイメージング部門にあると分析した。

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    フォトイメージング事業が占める割合の大きさと利益の上昇率が目を引く

また、「2000年をピークに写真フィルムの需要が1/100以下に減少し、さらにはスマートフォンの影響でコンパクトカメラの需要が1/10以下となった。このため、多くのメーカーが倒産やイメージング部門からの撤退を余儀なくされた」(助野氏)とし、そんな状況にあっても商品開発に投資を続けた理由は「写真文化の継承と発展」という企業使命だったと述べた。

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    富士フイルム 代表取締役社長 COO 助野健児氏

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    現在のデジタルカメラ市場を支えているのはミラーレスカメラ

加えて、ミラーレスが牽引する形で2017年からデジタルカメラ市場が回復傾向に転じたことについて、「2018年もこの傾向が続く」と予想した。

続いて登壇したのは、同社光学・電子映像事業部長の飯田利久氏。X-H1の特長について、試作機を使用した40名のカメラマンからのフィードバックを交えつつ説明した。なお、この試作機は1カ月以上の長期にわたり使用されたが「その間、故障や不具合が生じた個体は1台もなかった」(飯田氏)とのこと。

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    富士フイルム 光学・電子映像事業部長 飯田利久氏

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    X-H1の5大特長

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    ファインダーの見やすさは「素晴らしい」といえるレベルだ

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    液晶モニターも非常に美しい

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    軍艦部のモニターは1.28インチ(バックライト付き)

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    フリッカー低減機能を装備

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    AF測距ポイントは、13×13の計169ポイント

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    それぞれのポイントに約10000の位相差画素を持つ

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    位相差画素の全体を1/5→各1/4に→各1/3に、と平面的に並行処理することでAFセンサーを高速化している

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    位相差の限界をF8からF11に引き上げた結果、+0.5EV~-1EVに対応

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    水色の線はプロビアの諧調、たいして黄緑色はETERNAの諧調

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    プロビアやベルビアが色を加算していくのに対して、エテルナは減算の色再現

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    プロビアやベルビアでは、青をわずかにマゼンタにシフトさせる

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    一方、エテルナではグリーンにシフトする

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    動画撮影機能も大幅に拡張。1080/120pにも対応する

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    新たなX専用のシネマレンズ「MKX」が6月に登場

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    内蔵防振をONにすることで、細かな揺れ(白)が緑線になる

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    ジンバルを併用すれば、さらに効果大

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    シャッター振動も抑制して、さらに画質を向上

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    X-H1は、衝撃による解像度劣化が圧倒的に低い

飯田氏は、X-H1の特長を「絶大なる信頼設計のボディ」「快適なホールド性・操作性」「進化し続けるフォーカス性能」「シネマ用フィルムシミュレーション"ETERNA(エテルナ)"」「5軸・5.5段のボディ内防振」の5つと紹介。これらについてはスライド写真を豊富に掲載するので、ぜひご参照いただきたい。

既存モデルのバージョンアップ

なお、「GF-X 50S」と「X-T20」については、ファームウェアのメジャーバージョンアップが発表された。こういった「買ってからも製品が進化する楽しみと安心感」も、富士フイルム製品が支持される理由だろう。新ファームの公開時期はGF-X 50Sが3月、X-T20は4月の予定。

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    GF-X 50SとX-T20の新ファームが公開される予定

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    GF-X 50Sには、35mmフォーマットのクロッピング機構が搭載される(マウントアダプター使用時)

最後に、富士フイルムイメージングシステムズ株式会社代表取締役社長の西村亨氏が販売計画について述べた。西村氏によれば、2月15日~発売日前日まで、予約宣言をして購入した方を対象に「X-H1発売記念 Wキャンペーン」を実施。先着1,000名に高速SDカードをプレゼント、さらに、予約宣言購入者全員にアルチザン&アーチストのコラボカメラバッグ、バッテリーグリップと同時購入なら専用バッテリーもプレゼントするという。

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    富士フイルムイメージングシステムズ 代表取締役社長 西村亨氏

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    X-H1発売記念 Wキャンペーン

同社イメージング製品とサービスを体験できるブランド発信拠点「FUJIFILM Imaging Plaza」が今年春にオープンする予定。製品のタッチ&トライコーナーやギャラリー、セミナールーム、プロサービス専用窓口なども設置される予定。オープンの具体的な日にちはまだ調整中とのことなので、続報が入りしだいお知らせしたい。

  • 富士フイルム、X-H1、発表会

    「FUJIFILM Imaging Plaza」が今年春にオープン

3月1日からパシフィコ横浜にて開催されるカメラと写真の祭典「CP+ 2018」でも、X-H1の実機が展示される。「昨年(2017年)比1.5倍のブース面積で皆様のお越しをお待ちしています」(西村氏)とのことなので、ぜひ立ち寄ってみていただきたい。なお、CP+以外にも「XCaravan」と題し、3月10日の大阪を皮切りに、全国で体験イベントが開催される予定なので、参加してみてはいかがだろうか。