KDDIは1月31日、2018年3月期 第3四半期決算を発表しました。それによれば、営業利益は8,138億円で「中期目標の達成に向けて順調な進捗」とのこと。質疑応答では、楽天モバイルのMNO事業参入について、iPhone Xの減産について、などの質問が寄せられました。

  • KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏

    KDDIは1月31日、2018年3月期 第3四半期決算を発表。登壇したKDDI 代表取締役社長の田中孝司氏が、記者団から寄せられる質問に回答していった

  • 期決算は、中期目標の達成に向けて順調な進捗をアピール

    2018年3月期 第3四半期決算は、中期目標の達成に向けて順調な進捗をアピール

楽天について「理解できる」が……

楽天がMNO事業に参入する動きを見せていることについて、田中社長は「楽天さんの参入により通信業界の競争が厳しくなるのでは、といった見方をはじめとして、さまざまなことが言われているが、私はすこし大局で捉えてみたい。今後、全ての産業が(5G、IoT、AI、ビッグデータなどにより)新しい方向にシフトしていく。次の時代に向かって、いろんな企業が走り出している。そこで楽天さんも動かれているということ」と解説。

そして「次の時代に向けて、新しい能力を獲得しながら戦いを進めるロールプレイングゲームのようなビジネスの競争環境になってきた。生き残るためにどういった能力が必要か。基本となるのは通信、2つめが金融系、3つめはコマースだと考える。どう動いていくかについては、お客様をたくさん持っていた方が次のステージに行きやすい。お客さんとどのくらい深いエンゲージメントを持っているか。これはビッグデータそのものでもある」とします。

続けて「そう考えると、楽天さんが参入する心意気はしっかり理解できる。MVNOで満足されず、新しい時代にいくには通信系は必須」と話し、楽天に理解を示した上で「ただ6,000億円の投資ではなかなか難しいのではないか。われわれも年間で5,000億円台を費やしている。甘くはない。どこかでMNOが協力しないと、通信におけるエンゲージメントは構築できないのではないか」と所感を述べました。

2018年はIoT事業に注力

また、携帯電話市場が飽和状態にある中で、KDDIが2018年に力を入れる事業について聞かれると「2018年はIoT事業だと捉えている。IoTとは、通信とその他の産業を結びつけて新しい産業を生み出すこと。大きな産業に育てることができる」と説明しました。

KDDIでは通信だけでなく、クラウドなども含めてパッケージ化して提供することを考えているとのことで、記者から「将来的にはIoTを事業の柱のひとつにしていくつもりか」と問われると「そう考えています」と回答しました。

iPhone Xの減産報道について

AppleがiPhone Xの1月~3月期の生産量を予定より半減すると見込まれていることについて聞かれると、「今回はiPhone 8とiPhone Xが同時リリースだった。Xだけ単独で見たら少ないかもしれないが、足してみたら昨年度と同じくらいではないか。これから春商戦を迎える。iPhoneは学生たちに人気のモデルで、iPhone Xの売り上げも伸びる。今期が終わってから評価した方が良いと思っている」と話しました。

  • KDDIでも「ピタット学割」などの施策で多くの新規契約を獲得していく構え

    これから春商戦を迎える。KDDIでも「ピタット学割」などの施策で多くの新規契約を獲得していく構え