パナソニックは25日、モバイルノートPC「Let'snote」の2018年春モデルを発表した。
店頭向けには、クラムシェルタイプの12.1型ノートPC「SV7」、2in1 PCの10.1型モデル「RZ6」と12型モデル「XZ6」、14型ノートPC「LX6」の4シリーズをラインナップ。12.1型モデル「SV7」はフルモデルチェンジを果たしており、同日開催された発表会では「SV7」を中心に新製品、新サービスが発表された。
12.1型モデルがフルリニューアル
「Let'snote」2018年春モデル群で、最も注目したいのは12.1型モデル「Let'snote SV7」(SV7)。従来機「Let'snote SZ6」(SZ6)からフルモデルチェンジし、筐体や基板が一新している。
SZ6から機能面で大きく変化した部分は、第8世代Intel CoreのU型番(Kaby Lake Refresh)プロセッサの搭載、Thunderbolt 3対応USB Type-Cの搭載など。第8世代Intel Coreの搭載に合わせ、基板やCPUファンなどの放熱設計も改善されている。
第8世代Intel Core搭載でパフォーマンス向上
新搭載した第8世代Intel CoreのU型番シリーズは、第7世代では2コア内蔵だったところ、コア数が2倍の4コアになっている。その分個々のクロック数は減少しているが、全体としては第7世代Intel CoreのU型番と比べ、30%のパフォーマンス増となった。
パフォーマンスが上がった反面、CPU回りの発熱量も増加。SV7では放熱設計を手厚くしなければならず、羽の位置をずらして動作音を低減しながら回転数を上げた新開発のファンを搭載。また、ボディ底部に吸気口を設け、空気の流れを最適化した。同社は、第8世代Coreのパフォーマンスを最大限に引き出す放熱設計だとする。
4コア搭載光学ドライブ内蔵ノートで世界最軽量に
しかし、4コアCPUを搭載したことで、基板やファンが大型化し、今度は重量が増加することになった。従来機SZ6の最軽量モデルの重量は約849gだが、SV7の最軽量モデルの重量は999g。とはいえ、4コアCPU搭載の光学ドライブ内蔵ノートPCとしては世界最軽量を実現している。
パナソニック コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部の坂田厚志氏は、「重くなることを覚悟していたが、1kg以下なら持ち運び可能だと考えた」と説明した。SV7でももちろん軽量化が図られており、従来と同じく、光学ドライブケースに穴を開けたり、2017年1月発表の着脱式12.0型ノートPC「Let'snote XZ6」(XZ6)で採用された0.45mmの薄型天板を更に薄く、0.4mmにしたりするなどの施策が採られている。
Type-Cを純増、シリーズ初のUSB PD対応
USB Type-CはXZ6でも搭載されたが、今回のSV7に搭載されたUSB Type-Cは、Let'snote初のUSB Power Delievryに対応(入力5V/3A、出力20V/5A)。このポートは本体の充電や、接続デバイスへの給電が行える。D-SubやLANなど、従来のSZ6で使えたインタフェースはそのままに、SV7ではType-Cポートが純増された形だ。
電源のない場所でも、(対応するUSB Type-Cケーブルやアダプタがあれば)本体をUSB Type-C経由で充電できることは大きなメリットだろう。坂田氏は、Type-C/Thunderbolt 3による40Gbps(規格値)の高速伝送にも触れ、「デスクトップPCでもできなかった作業ができる」とUSB Type-Cの搭載をアピールした。
17年度は40万台見込み、過去最高の販売へ
Let'snoteの販売は好調に推移している。パナソニック コネクティッドソリューションズ 常務 モバイルソリューションズ事業部の坂元寛明事業部長は、Let'snoteシリーズの販売台数が2016年度に32万台だったところ、2017年度では40万台の販売を見込んでいると話した。これはLet'snote販売台数の最高記録という。
SV7は、「働き方改革」を意識して開発された製品となる。法人向けには、PCの稼働時間やアプリ使用時間、業務時間などを可視化できる有料サービスも合わせて発表された(想定金額は月額1,500円程度)。
なお、「RZ6」「XZ6」「LX6」はハードウェアに大きな変更はなく、OSがFall Creators Update適用となったほか、搭載OfficeがOffice Home and Business 2016(永続版)へと変更されている。