デルは12月6日、都内でプレスセミナーを実施。7月に発売された8K(7,680×4,320ドット)解像度を備えた液晶ディスプレイ、「Dellデジタルハイエンドシリーズ UP3218K 31.5インチ8Kモニタ」(以下、UP3218K)を2人の専門家を交えて紹介した。
ディスプレイ製品マネージャーのキム・サンウ氏は、UP3218Kの概要を説明。ポイントは、Adobe RGB・DCI-P3・REC 709という幅広いカラーレンジ、DisplayPort 1.4接続で最大60Hz表示に対応している点だ。
製品化にあたっては、「より多くの人が使ってもらえる現実的な価格(税別498,000円)」、「オフィス利用を想定した画面サイズ」、「世界初の8Kモニタ開発・販売」という3点を重視。液晶パネルメーカーと組んで一年半前から開発に着手し、安定した品質を確保した。加えて、最新の液晶パネル設備でリーズナブルに製造でき、かつデスクで邪魔にならないサイズとなったという経緯を紹介した。
UP3218Kは、280dpi(pixels per inch)の表示密度があるが、これは15.6インチの4Kディスプレイとほぼ同じピッチであり、その意味でも違和感なく使える。業務用の高解像度ディスプレイとして、メディア企業やエンターテイメント企業、そして科学分野を、現在の販売ターゲットにしている。ちなみに、デルが扱うディスプレイのうち、4Kと8Kの比率は全体の5%程度だという。
デジタルカメラと同じように、モニタもグレードアップを
続いては、西尾豪氏がプロカメラマンの立場でコメントした。西尾氏は主に広告撮影を含む「人物カメラマン」として活躍しているが、撮影した写真をクライアントに渡す前に、当然ながらPCでのチェック、編集作業を行う。
現在のデジタルカメラは4,000万画素も普通になっており、これをフルHDで表示すると「かなりの縮小表示」か「ごく一部の部分表示」になってしまう。両者を切り替えていたそうだが、ミスを誘発しやすいという。
8Kモニタにした場合、全画面表示でもあまり縮小されずに把握できるため、作業効率アップにつながると話す。また、UP3218KはAdobe RGB 100%対応に加え、ピボット表示で縦長に表示できるため、全身写真を見るのにも向いているとコメント。
結論として「カメラとともに、PCへの投資も」と、性能の上がるカメラに対して、PCとモニタもグレードアップしたほうがよいと述べた。 なお、「2台のモニタを使えばよいのでは?」という質問も出たが、西尾氏のスタイルはシングルモニタである。複数モニタの場合、色キャリブレーションを同一にしないといけないといった手間も発生し、今回のような単独の8Kモニタが今の撮影・編集スタイルに合っているという。