東京の再開発が加速している。品川・田町地区、大手町地区、日本橋地区、上野・御徒町地区……以前取材させていただいただけでも、結構な数に上る。そして、やはり大がかりな再開発が進められている地区がある。東京の顔のひとつ、渋谷だ。

これほど再開発が加速している背景には、当然のことながら2020年の東京オリンピックがある。この一大イベントに間に合わそうと、各デベロッパーは躍起になっている感じすら憶える。また、増え続ける訪日外国人をいかに取り込むかといった思惑が、ヒシヒシと伝わってくる。

変わってきたなと思ったのが、東京の各地区でローカル色を強めていること。数年前は「まずは東京へ!」と、オール東京で訪日外国人取り込みに動いていた気がするが、現在は「上野へ」「日本橋へ」「虎ノ門へ」と、各地区の特徴を前面に押し出し、観光客誘致を推進している。

あのプロデューサーが仕掛け人!?

1964 TOKYO VRのロゴ

そうしたなか、一風変わった取り組みを始めた地区がある。若者のエネルギーが集積する渋谷だ。

何がユニークなのかというと、昔の写真を集めてVRで渋谷の街を再現しようとしていること。しかも、現在の渋谷の姿ではない。1964年、つまり今から50年以上前の渋谷の姿を甦らせようとしているのだ。

この取り組みは「1964 SHIBUYA VR」プロジェクトと名づけられ、一般社団法人 1964 TOKYO VRという団体によるものだ。

そして、このプロジェクトの仕掛け人ともいえるのが、土屋敏男氏。バラエティ番組好きならピンとくるかもしれないが、日本テレビで人気だった「電波少年」シリーズのプロデューサーだ。