LTEでの通信が可能となったApple Watch Series 3だが、その進化はwatchOSとともに続いている。現在watchOSの最新バージョンは4.0.1だが、ここからわずか0.9だけのアップデートとなるwatchOS 4.1で、さらに強力な機能が追加される。Apple Musicに対応するのだ。本稿ではwatchOS 4.1でApple Watchがどう変わるのか紹介していこう。なお今回は、パブリックベータ版でのレビューで、全ユーザーへの配信は今月末となる。
その前に、軽く現状のセルラー対応のSeries 3の機能をおさらいしておこう。Apple Watch単体で通信機能を備えたことで、iPhoneが手元に無くても通話ができ、メッセージやメールの送受信が行えるようになった。
これまでも、Apple Watchから通話をしたり、メッセージを送信したりといったことは可能であったが、それはあくまでiPhoneのコンパニオンデバイスとして利用できただけの話で、Bluetooth圏外になるとそれらの機能は使えなくなってしまっていた。タイマーやリマインダーを設定する際、Siriを使うにも、iPhoneがインターネットにつながっていて、かつ、iPhoneとBluetooth圏内にある必要があったのである。ところが、セルラー機能を積んだApple Watchは、iPhoneの電源が落ちてたとしても、前述の各種機能が利用できるのだ。
筆者はセルラー対応となったApple Watch Series 3のおかげで「iPhoneがなくても安心な時間が長くなる」と書いたが、その効用はそれ以上のものだった。例えば、映画デートするのにiPhoneを忘れたとしても、殆ど全く問題がなかった。遅刻する場合でも通話機能やメッセージでそれを伝えることができるし、松竹マルチプレックスシアターズ系ならチケは「Wallet」アプリに入れておけばOKで、新宿バルト9のようにSuicaが使えるところならApple Payで支払えば良い。劇場でお菓子やコーヒーを買いたいなんて場合も、Suica、iD、QUICPayのどれかが対応していればApple Payを利用できる。観終わった後、食事に行くなんて場合でも同様だ。iPhoneどころかサイフを持たなくても大丈夫なのである。セルラー対応の問題点を強いて挙げるとしたら、電話に出られないときの言い訳がし辛くなったことぐらいだろう。
Apple Watch向けアプリが活躍する場面も以前より圧倒的に比率が上がっている。セルラー対応アプリとして「アメミル」「Nike Run Club」「乗換案内」「Yahoo!防災速報」「エキサイト翻訳」「Uber」などがあるが、これらのアプリは、iPhoneでも使用頻度が高いのではないだろうか? 普段使うアプリはネットワークを利用するタイプのものが多いということに気付かされる。となると、セルラー対応のApple Watchでアプリを開くことも必然的に多くなる。バッグの中のiPhoneを探さなくとも、手首で欲しい情報が得られたりといった場面がどんどん増えていくのではないだろうか。