マクロ性能や画質をチェック

近接性能の高さも気に入った。最短の撮影距離は0.45mで、最大撮影倍率は1:2.9。高倍率ズームの中でも結構寄れるほうであり、テレマクロ的な使い方が可能だ。

絞り優先AE F8 1/200秒 ISO200 WB:太陽光 焦点距離:400mm

絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO320 WB:太陽光 焦点距離:400mm

シャッター優先AE F7.1 1/250秒 ISO4000 WB:太陽光 焦点距離:400mm

手ブレ補正は、タムロン独自のレンズ内補正機構「VC (Vibration Compensation)」を搭載。その効果は、CIPA準拠規格で2.5段分。補正が安定するまで少し時間がかかるので、ファインダーを見ながらブレがおさまるのを確認してから、シャッターを切るようにしたい。

鏡胴部には、AF/MFの切り替えスイッチと、手ブレ補正のスイッチを装備している

マニュアル F5 1/100秒 ISO320 WB:太陽光 焦点距離:23mm

マニュアル F5 1/100秒 ISO320 WB:太陽光 焦点距離:23mm

レンズ構成は、LDレンズや非球面レンズを含む11群16枚。写りは、高倍率ズームとしてはまずまず良好な画質といえる。18mm側の中央部は開放値でもシャープネスがあり、F5.6まで絞り込むと周辺部までくっきりする。400mm側は開放値ではやや甘いが、F8まで絞り込むと全体の解像感が高まる。気をつけたいのは、色収差がやや目立つこと。特に400mm側の周辺では顕著なので、気になる場合はRAW現像の際に補正するといいだろう。

絞りごとの写りを比較 (18mm)。左上から右下に向かって、F3.5/F4/F5.6/F8/F11/F16/F22で撮影

絞りごとの写りを比較 (400mm)。左上から右下に向かって、F6.3/F8/F11/F16/F22/F32/F40で撮影

絞りごとのボケを比較 (400mm)。左上から右下に向かって、F6.3/F8/F11/F16/F22/F32/F40で撮影

今回の撮影では、「18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD」の性能が十分に実用的であることを確認できた。「高倍率ズームにしては」という注釈付きではあるものの、使い勝手面でも画質面でも満足できる内容だった。とにかくレンズ交換をせずに何でも撮れてしまう快適さは、何ものにも勝る魅力だ。レンズ交換をしている間にシャッターチャンスを逃す、といった失敗とは無縁となる。

付属する花形フードを装着した状態