マクロ性能や画質をチェック
近接性能の高さも気に入った。最短の撮影距離は0.45mで、最大撮影倍率は1:2.9。高倍率ズームの中でも結構寄れるほうであり、テレマクロ的な使い方が可能だ。
手ブレ補正は、タムロン独自のレンズ内補正機構「VC (Vibration Compensation)」を搭載。その効果は、CIPA準拠規格で2.5段分。補正が安定するまで少し時間がかかるので、ファインダーを見ながらブレがおさまるのを確認してから、シャッターを切るようにしたい。
レンズ構成は、LDレンズや非球面レンズを含む11群16枚。写りは、高倍率ズームとしてはまずまず良好な画質といえる。18mm側の中央部は開放値でもシャープネスがあり、F5.6まで絞り込むと周辺部までくっきりする。400mm側は開放値ではやや甘いが、F8まで絞り込むと全体の解像感が高まる。気をつけたいのは、色収差がやや目立つこと。特に400mm側の周辺では顕著なので、気になる場合はRAW現像の際に補正するといいだろう。
今回の撮影では、「18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD」の性能が十分に実用的であることを確認できた。「高倍率ズームにしては」という注釈付きではあるものの、使い勝手面でも画質面でも満足できる内容だった。とにかくレンズ交換をせずに何でも撮れてしまう快適さは、何ものにも勝る魅力だ。レンズ交換をしている間にシャッターチャンスを逃す、といった失敗とは無縁となる。