開放値F1.2のボケも快適に
AFの進化は、スピードだけでなく精度の面でもメリットが大きい。今回の撮影ではキット付属の標準ズームのほかに、単焦点レンズ「EF50mm F1.2L USM」や「EF85mm F1.2L II USM」を使ったが、この2本による開放値F1.2での撮影は被写界深度が極めて浅い。いい加減な撮り方ではピンぼけ写真を量産してしまう難易度の高いレンズともいえるが、EOS 6D Mark IIでは特に不自由なく開放値でのボケ表現を楽しむことができた。
トータルとしては、フルサイズセンサー搭載一眼レフとしては小さくて軽いボディながら、フルサイズならではの高画質と高感度、ボケ表現を存分に味わえるカメラといえる。
最高シャッター速度が1/4000秒止まりであることや、最高の同調速度1/180秒、ファインダー視野率98%、SDカードのシングルスロット、4K動画非対応といった部分は上位モデルに見劣りする。だが、「バリアングル液晶による撮影自由度」と「取り回しに優れた小型軽量ボディ」という2つのは利点は、スペック面の不足を補って余りある魅力だ。
特に今回のロケは炎天下での撮影だったが、ボディ+レンズ3本を持ち歩いても負担は少なく、小型軽量ボディのありがたみを実感した。EOS 6D Mark IIの発売は8月4日。夏の旅行用にも活躍してくれそうだ。