多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『自分のスマホで「Android Pay」は使える?』という質問に答えます。

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Googleが「Android Pay」を日本でスタートさせました。Android Payとは、Android端末を電子マネーリーダにかざして決済する非接触型デジタルウォレットサービスで、いわば「Android独自のおサイフケータイ的機能」です。日本では「楽天Edy」から対応を開始し、コンビニエンスストアや家電量販店など全国47万以上の店舗で利用可能になります。

おサイフケータイとApple Payという先行のサービスは、クレジットカード情報の保存にセキュアエレメント(SE)というハードウェアに依存する領域を利用しますが、Android PayではSEと同等の機能を持つホストカードエミュレーションをインターネット経由で提供する、つまりソフトウェア的に解決します。

しかし、Android Payが利用する非接触IC「NFC Type-A/B」は、ここ日本では対応する電子マネーリーダが少ないことから、日本版ではFeliCaのSEを利用します。つまり、すでに普及しているおサイフケータイのインフラの上に成り立つアプリなのです。

自分のスマホで「Android Pay」は使えるかとのご質問ですが、ここ日本では「おサイフケータイ(FeliCa)に対応したAndroid OS 4.4以降が導入済の端末」に「Android Pay」アプリをインストールすれば利用できます。対応する電子マネーは現在のところ楽天Edyのみ、クレジットカードによるオンラインチャージが難しい(対応カードが少ない)という課題はあるものの、店頭で現金によるチャージを行えば使えます。

ただし、別な意味での「使える」かどうかは、現時点では微妙です。海外製のFeliCa非対応端末をおサイフケータイ的に使うことはできません。おサイフケータイ対応端末であれば、すでに楽天EdyはもちろんnanacoやモバイルSuicaなどの電子マネーも利用できますから、敢えてAndroid Payを導入するメリットがありません。今後のブラッシュアップに期待しましょう。

「Android Pay」を日本で利用する場合、FeliCaに対応したAndroid OS 4.4以降の端末が必要です