AppleがiPhone 7と同時に発表したワイヤレスイヤホン「AirPods」(税別16,800円)。巷ではポジティブな反応が多い一方、「落としそう」「片方なくしそう」「チンアナゴ」と不安な声も届いています。
そこで今回、AirPodsをさまざまなシチュエーションで丸1日検証してみました。前編では主にハードの不安について取り上げます。ソフトウェア絡みは後編でご紹介するのでお楽しみに!
不安1:見た目がダサくない?
AirPodsはApple純正のイヤホン「EarPods」からケーブルをなくしたようなデザインです。軸が少し太くなり、先端にはズームマイクが配置されています。この見た目は発表当初から「チンアナゴ」「耳からうどん」などと大喜利の対象になっていました。
デザインは好みによるでしょうが、個人的には写真より実物のほうが違和感はありませんでした。デザイン性を売りにしたイヤホンと比べるとさすがに見劣りしますが、このApple製品第一世代特有のプロトタイプ感も嫌いではないです。
また、これを言うと元も子もないですが、女性は髪で隠せば見えなくなります。AirPodsをチェーンでつなぐイヤーカフや、イヤリングタイプの専用アクセサリーが出たら、落下防止になり耳元のおしゃれも楽しめそうですね。男性の方が装着時の印象は気になるかもしれません。
「デザインがどうしてもヤダ! 妥協できない!」という人は、AirPodsと同時発表された「Powerbeats3 Wirelessイヤフォン」や「BeatsXイヤフォン」を選択肢に入れてはいかがでしょうか? 左右をケーブルでつなぐタイプのワイヤレスイヤホンは、私のように首周りがこそばゆくなる人もいるので、万人におすすめというわけにはいきませんが……。
不安2:耳から外れそう/落としやすそう
購入希望者の一番の不安はこれではないでしょうか? AirPodsは完全独立ワイヤレスイヤホンのため、「片方すぐになくしそう」「満員電車で外れそう」などのコメントをよく目にします。丸1日さまざまなシチュエーションで使った結果、「めったに外れない、特定の状況以外は」という結論です。
日常使いなら自然落下の心配はほぼいりません。ヘッド部分はEarPodsと同じ形状なので、EarPodsがフィットする人ならそこまで神経質になる必要はないかと思います。ヘドバンやジャンプ、ランニングも試しましたが、ポロッと外れる危険は感じませんでした。ただEarPodsがしっくりこないタイプなら、気をつけたほうがいいかもしれません。
一方で、当然ながら物理的な接触があると外れそうになります。一度AirPodsをしたまま顔を洗ってしまい、指を柄の部分に引っかけて落としかけたことがありました。裏を返せば、長さ3cm程度の柄に、ピンポイントに何かをかけなければ大丈夫だということ。寝返りを打ってベッドを頭にこすりつけてようやく外れたくらいなのに、満員電車で人にぶつかる程度で落とすなんて、よっぽどの運の悪さです。
充電ケースの出し入れで落としそう? たしかに手が滑って紛失する可能性はあります。しかしAirPodsにかぎらず、完全ワイヤレスイヤホンならどれでも起こりうることです。
むしろAirPodsの充電ケースには磁石が入っているため、適当に戻してもカチャッとスムーズにセットできて安全かつ楽だと感じました。フタが開いた状態で逆さにしても落下しないので、バッグの中でAirPodsがバラバラになる心配も不要でしょう。
不安3:バッテリーの持ちは?/充電が面倒くさそう
特にEarPodsなどの有線イヤホンを愛用する人にとっては、充電の問題が気がかりでしょう。たしかに充電するデバイスは1つ増えることになりますが、頻繁な充電は必要ありません。AirPodsでは専用に設計されたW1チップが、効率のよいワイヤレス接続を生み出し、バッテリー駆動時間の管理を行います。
そのため1回の充電で5時間再生、充電ケースを使用すれば24時間以上のバッテリー駆動時間となります。ケースで15分充電すれば3時間使える急速充電にも対応。他社製は3時間程度の駆動時間が多いなか、画期的な長さです。
丸1日程度では、バッテリーの不安はまったく感じませんでした。片耳ずつ使えば48時間は持つ計算になるので、電話応対やSiri用のヘッドセット用途なら週1~2度の充電でもよさそうです。
このように実際に使ってみると、巷で言われている不安のほとんどは杞憂だとわかりました。後編では端末とのペアリング方法や音の遅延、曲のスキップ操作などソフトウェア面を検証します! 意外な問題点も判明したので、気になる人はぜひチェックを。