内ポケットの位置が下がるなど改良されている。

刷新されたブランドは、“女性活躍”の広がりによって責任者クラスの女性が増えることを想定し、30~40代の女性を意識している。ポイントは、2点。1つは、以前のデザインにもあった小物収納についてだ。

同ブランドのジャケットにはすべて内ポケットを標準装備しているが、以前の位置だと入れた小物のせいで、女性らしいボディラインが損なわれてしまっていた。これをポケットの位置を下げることで改良した。さらには、ジャケットを買った人にはジャケットのラインを崩さない薄型名刺入れをプレゼントするという。

そのほかにもパンツのウエストラインを深く、しゃがんだ際に背中が見えないつくりにするなど、使いやすさ、働きやすさに気を配った仕立てを目指している。

カール・ラガーフェルド氏デザインの服

もう1つは、脱オーソドックス。リクルートスーツみたいなオーソドックスな服に対する不満の声が多かったことから、デザイン性を重視した服を意識。プレステージブランドのデザインを歴任したデザイナー、カール・ラガーフェルド氏などと組み、新しい仕事服を提案していくとしている。

そのほかパターンオーダーだと3万9000円から。決して安くはないものの、手が出ない額ではない値段設定で「使えるキチンと服」で独自性を出していきたいという。今秋からの1年間で売上高、前年比50%増の10億円が目標。同社のような、女性の仕事服の新しいスタンダードがほかからも出てくるだろうか。それとも、同社がフロントランナーとなって、女性の仕事服の新基準ができていくのだろうか。女性の社会進出によって企業の競争が加速化することを期待したい。