GIGABYTEは、例年通りホール1にメインのブースを、Taipei 101にプライベートブースを構える形で、製品展示を行っている。
初日の取材時点における新製品はマザーボード、BRIXなど。同日発表されたIntel Core i7-6950Xを始めとしたBroadwell-Eに合わせ、既存のチップセットではあるが、Intel X99 Express搭載マザーボードの新製品や、登場後しばらく経ったIntel 100シリーズチップセット搭載マザーボードにも新製品の展示があった。
まず大きな動きを紹介しておくと、「Ultra Gaming」シリーズ、「Designare(イタリア語)」シリーズ、「WS」シリーズといったように、一部投入済みのものもあるが新シリーズとして立ち上がる。
Ultra Gamingシリーズ
Ultra Gamingシリーズでの注目は、「GA-X99-Ultra Gaming」と「GA-Z170X-Ultra Gaming」。パネルには「G1 Gaming」ロゴも見られるので、そこを継承するようだ。GA-X99-Ultra Gamingは、ホワイト/レッドのG1シリーズのカラーを継続し、メモリスロットにもメタルシールドが追加された。そしてそのメモリのメタルシールドの間には、LEDが仕込まれ、ここが発光する。LED発光色もフルカラーへと進化。よりハデな演出が可能になる。
ほか、特徴的なのがU.2ポートの追加だ。GA-X99-Ultra Gamingでは1ポート標準搭載しており、これと2基のM.2スロットを組み合わせると、NVMeでPCI Express Gen3 x4接続のSSDを3基、RAID構成が組めるとのこと(一部Serial ATAと排他)。
ネットワークの面では、デュアルLAN構成のうち、1基はKillerチップ、もう1基はIntelチップの組み合わせで、Killer側はE2400にアップデートされている。
そして、機能面でユニークなのが、「Dual Hybrid Fan Headers」。PWMと従来型の電圧制御が切り替え可能という機能であるが、これは通常のファンを接続する場合はPWM制御、水冷のポンプを接続する時は電圧制御を行うことで、より的確な制御ができるという話だ。
GA-Z170X-Ultra Gamingは、X99のUltra Gamingと比べると一見地味なブラック基板だが、こちらもLEDギミックが楽しめる。メモリスロットの間というわけではなく、メモリスロットの両端や、ヒートシンク、マザーボード右端のラインなどが発光する。カラー制御は、上位モデルのようにフルカラーではなく、プリセットから選ぶ形だ。
機能面もなかなか充実している。まずはUSB 3.1 Type-Cの機能で、USB Power Delivery 2.0が利用できる点。I/OパネルとVRMヒートシンクに囲まれた部分に「100W」と書かれたメタルシールドが見えるとおり、100Wまでの供給に対応する。
もうひとつはI/Oパネルに設けられたMini DisplayPort入力端子だ。これは、ビデオカードのDisplayPortからの映像信号をここに引き込み、USB 3.1 Type-C信号上に出力するためのもの。
「DisplayPort over USB-C」として、USB 3.1 Type-C対応のディスプレイに繋ぎ利用可能となるわけだが、その際、統合GPUだけでなく、ディスクリートGPUでも利用できるようになる。また、U.2ポートも1基搭載し、M.2スロットと組み合わせた2-wayのRAIDに対応している。
ほか「GA-B150-Gaming TH」は日本での取り扱いが現時点で予定されていないが、気になる存在だ。エントリー向けのIntel B150チップセットを搭載するGamingモデルで、Ultra Gaming同様にU.2を搭載、USB PD 2.0やMini DisplayPort入力端子によるDisplayPort over USB-Cにも対応する。
Designareシリーズ
Designareシリーズは、クリエイター向けという方向性のシリーズ。LEDギミック自体は搭載しているが、ゲーマー向けモデルほどハデではなく、メインは耐久性や最新インターフェースを豊富に搭載する点になる。また、その昔のGIGABYTEマザーボードの定番カラーである「ブルー」が、Designareシリーズのテーマカラーになるとのこと。ホワイトにブルー、あるいはブラックにブルーという形で用いられている。
Designareシリーズの注目は3モデル。「GA-X99-Designare EX」、「GA-Z170X-Designare」、「GA-H170-Designare」だ。Intel X99を搭載するGA-X99-Designare EXは、G1風のヒートシンクでホワイト/ブルーのカラーリングとなる。
ポイントはU.2ポートを2基搭載しているところで、M.2スロットは1基なのでトータルではGA-X99-Ultra Gamingと同じだが、M.2よりもU.2のほうが使いやすいと感じる方ならこちらのほうがよいだろう。
U.2ポートを2基搭載しているのがポイント。M.2スロットにはカバーが装着される構造だ。カバーによってM.2のコントローラの冷却に不安がないか聞いたところ、むしろビデオカードからのエアフローを整流する効果が期待できるという |
M.2スロットが1基となったぶん、PCI Express x16形状スロットは5本に増加している。LEDイルミネーションはフルカラーで、USB 3.1 Type-CはThunderbolt 3対応のほか36WまでのUSB PD 2.0に対応している。
「GA-Z170X-Designare」はIntel Z170を搭載するATXマザーボード。ブラック/ブルーのカラーリングだ。USB 3.1 Type-C機能では、GA-Z170X-Ultra Gamingと同様に最大100WまでのUSB PD 2.0に対応し、Mini DisplayPort入力端子を備えてDisplayPort over USB-C機能が利用可能。加えて最大40GbpsのThunderbolt 3にも対応する。このほかにも、U.2ポートを1基搭載している。
GA-Z170X-DesignareはThunderbolt 3を含めたフル機能のUSB 3.1 Type-Cが利用できるほか、GA-Z170X-Ultra Gamingプリセット色だったLEDイルミネーションも、GA-Z170X-Designareではフルカラーとなる |
「GA-H170-Designare」はGA-Z170X-DesignareのIntel H170チップセット版の位置付け。U.2ポートを1基搭載し、M.2スロットも1基搭載する。Intel USB 3.1チップを搭載し、背面のType-C端子では、100WまでのUSB PD 2.0に対応、Mini DisplayPort入力端子によるDisplayPort over USB-Cも利用可能だ。
ヒートシンクなどのデザインはGA-Z170X-Designareよりも簡素化されているが、CPU定格、シングルGPUで運用しつつ、最新のインターフェースを使いたい方に適している。
WSシリーズ
WSシリーズはワークステーション向けという位置づけ。「GA-X170-WS ECC」は、チップセットにIntel C236を採用し、CPUではXeon E3 v5シリーズや第6世代Core/Pentium/Celeronをサポート、通常のアンバッファドDDR4メモリに加え、ECC対応のアンバッファドDDR4メモリも利用可能な製品だ。また、組み込み向けのSATA DOMやSATA SGPなどのインターフェースも搭載している。
2系統のIntel製ギガビットイーサも、通常のコンシューマー向けに用いられるものとは違い、ワークステーション向けの、チップサイズの大きなものを搭載している。このような機能面を持ちつつも、デザインはコンシューマー向けとなっているのが特徴。つまり「Xeonで組もう」という方向けの製品だ。
そのほかの機能では、Intel製チップのUSB 3.1 Type-Cを搭載し、36WまでのUSB PD 2.0をサポート、U.2ポートとM.2スロットを搭載、控えめではあるがLEDイルミネーションも搭載している。ニッチな製品ではあるが、5月31日に発表されたXeon E3 v5では強力なQuick Sync Videoが搭載されていることもあり、使い方次第では魅力的なPCが組みあがりそうだ。