IPAは、コンピュータウイルスや不正プログラムの状況分析から、「今月の呼びかけ」を発表している。今月は、ブログやSNSなどへの写真の投稿について注意喚起をしている。連休を終え、行楽写真などを記念にアップしたり、SNSで友人と共有することで、より鮮やかな思い出となる。しかし、そこには重大な懸念がある。まずは、他人の写った写真の場合である。

図1 他人の写った写真の投稿が問題となる事例(今月の呼びかけより引用)

撮影した本人には、なんの問題もない。しかし、撮影された他人にとっては、このましくないこともある。図1のように、その場所にいたことが問題であったり、インターネット上に公開されることが問題となることもある。

これについてIPAでは、「2014年度 情報セキュリティの倫理に対する意識調査」を実施している。この結果によると、7割以上が他人の写った写真をインターネット上に公開することに対して、問題意識を持っていない事実が浮かび上がる。

この結果からも、知人や友人の写真をついアップしてしまうことは容易に考えられる。結果、図1のようなトラブルとなりかねない。友人や知人だけでなく、背景に写った人、さらには、同時に写り込んだ絵画・ポスターといった著作物も問題となることがある。状況によっては、プライバシー侵害、肖像権・著作権の侵害に該当することもあると注意喚起している。

Exif(イグジフ)情報から撮影場所が特定

最近のデジタルカメラの機能にExif情報がある。これは、撮影したカメラ、レンズ情報、さらに、撮影時の条件情報を記録する機能である。具体的には、以下である。

  • 撮影日時
  • 撮影機器のメーカー名
  • 撮影機器のモデル名
  • 画像全体の解像度
  • 水平・垂直方向の単位あたり解像度
  • 撮影方向
  • シャッタースピード
  • 絞り(F値)
  • ISO感度
  • 測光モード
  • フラッシュの有無
  • 露光補正ステップ値
  • 焦点距離
  • 色空間(カラースペース)
  • GPS情報(GPS機能がある場合、緯度・経度・標高)
  • サムネイル(160×120pixel)

これらの情報のすべてが記録されるとは限らない。カメラやメーカーによって異なる。確かに撮影時のシャッタースピードや絞りなどは、あとで画像処理を行うときにとても役立つこともある。しかし、問題となるのが、GPS情報である。図3は、その例である。

図3 Exif情報のGPS情報

撮影場所が容易に特定できてしまう。撮影内容によっては、個人情報の流出となりかねない。では、どのようにすればよいか。投稿などを行う前に、Exif情報を確認し、公開して問題ないかを確認することだ。もし、問題があれば、削除を行う。図4は、Exif情報を削除するソフトである。

図4 Exif情報を削除するソフト

ドラッグ&ドロップだけで簡単に削除ができる。実際、図3の写真では、図5のようになった。

図5 Exif情報が削除された写真

最近のブログやSNSでは、投稿の際に自動的にExif情報を削除する機能を持つものもある。しかし、過信せず、注意が必要であろう。また、IPAでは「友人にのみ公開」といった公開制限もあるが、これにも注意すべきとしている。その理由であるが、閲覧した友人から再公開されたり、メールなどで拡散する可能性もあるからだ。そして、どんな制限があっても、投稿された写真は「全世界の不特定多数の人に閲覧される」可能性があることを忘れてはいけないことだ。

写真を投稿をするにあたっての対策

IPAでは、ブログやSNSに写真を投稿する際の対策として以下を推奨している。

  • 投稿時にはExifのGPS情報の有無を確認すること
  • 一緒に写っている人には事前に投稿への許可を得ること
  • 公開する必要のない写り込みは特定できないように加工をすること

最初の2つについては、わかりやすいであろう。最後の対策であるが、被写体だけでなく、背景に写り込んだ人物、著作物、内容についても検討する必要があるということだ。IPAは、意外な盲点となる可能性もあるので、しっかりと確認すべきとしている。

では、実際に公開することに問題がある内容を含んでいる場合、どのようにすべきであるか。IPAでは、以下をあげている。

  • トリミングを行う
  • 画像をぼかす
  • 拡大しても識別できないレベルの解像度に変更する

このような加工を施し、撮影内容を特定できないようにする。インターネット上に公開されたデータは、決して削除することはできない。その点を忘れずに、アップしてほしい