かゆいところに手が届く、精度の高いミニタワーケースを採用

それでは「ID8i-GS5150-i5-RMB」のディテールを探っていこう。本機はMicro-ATXサイズとなっており、筐体はIN-WIN製のミニタワーケースを採用している。このケースがなかなかよくできており、しっかりした厚みのあるスチールパネルと精度の高い丁寧な加工により、非常に使いやすい。シンプルで、人によっては少々無骨に見えるフロントパネルの下部に吸気口が設けられており、直接HDDを冷却する仕組みとなっている。電源ボタンはフロントパネル中央付近に配置。前面のUSB 3.0端子はちょうど電源ボタンの上に搭載されている。オーディオ端子は備えていないので、ヘッドセットは背面に挿すか、USBオーディオなどを利用しよう。側面のパネルはネジ止めされているが、ワンタッチで固定できる機構も備えているため、頻繁に開け閉めする人はネジを使わない状態で利用するといいだろう。

シンプルなフロントパネルを採用したミニタワー型の筐体を採用。しっかりとした重みがあり共振の心配はなさそうだ

ケース背面の様子。USB 3.0×4、USB 2.0×2、PS/2ポート、ギガビットLANポート、HDオーディオ端子を搭載。使用しない映像出力端子にはカバーが取り付けられている

電源ボタンのみ銀色の塗装が施されておりわかりやすい。フロント入出力ポートはUSB 3.0のみで、オーディオの入出力端子は備えていない

側面のパネルはネジ止めされているが、ネジを閉めなくてもワンタッチで固定できる機構を備えている

左側面パネルのCPUおよびGPUが設置された箇所には、大きめの通気用エアホールが設けられており、うっすらと「INTEL」や「msi GTX 960」のロゴが見える。パネルを開けるとケーブルはしっかりと束ねられており、空気の流れが妨げられることはない。ドライブベイは一部を除いてツールレスで着脱可能となっているため、拡張も容易だろう。感心したのが、拡張スロットのネジをドライバーで回しやすいように、ケースのへりに切り込みが加えられている点。作りの悪いケースだと、拡張カード着脱時にドライバーがケースのへりに当たって非常に回しにくいことが多いのだ。また盗難防止用のケーブルを取り付けるリングを、必要に応じて出し入れ可能としている点もポイント。細かなギミックではあるが、ユーザー視点をしっかりと取り入れた非常に使いやすいケースといえそうだ。

左側面のCPUファンおよび拡張スロットの部分にはエアホールが設けられており、うっすらとCPU/グラフィックスカードのロゴが見える

エアフローを妨げないよう、ケーブルはしっかりと束ねられており、空いている5インチベイに収納されている

拡張スロットのネジを取り外す際にドライバーを回しやすいように、ケースのへりの部分に切り込みが入れられている

オフィスでは重要だが、個人用途ではむしろ邪魔になる盗難防止用ケーブルのリングは、ケースを開けて出し入れ可能

マザーボードはIntel H97 Expressチップセットを採用したMicro-ATXサイズの製品が採用されている。試用機ではMSI製の「H97M-S01」という型番が確認できるが、おそらくOEM用のオリジナルモデルだろう。すっきりとしたマザーボードだが、4つのメモリスロット、M.2コネクタなども搭載しており、拡張性は十分だ。グラフィックスカードは1ページ目で紹介したNVIDIA GeForce GTX 960。こちらもMSI製のモデルがチョイスされている。端子数はDVI-I×1、HDMI×1、DisplayPort×3と豊富で、マルチディスプレイを構築するのも簡単だ。メモリは8GBのTeam製DDR3L-1600メモリが1枚実装されており、シングルチャネルで動作している。HDDは東芝製の500GBモデルで、ケース前面に設置されていた。電源ユニットは標準構成では80PLUS SILVER認証の500Wだが、試用機はBTOカスタマイズによってさらに余裕のある700Wが搭載されていた。OEMで多数の実績がある電源の老舗、AcBelの製品が採用されており、省電力プログラム80PLUSのBRONZEを取得している。

マザーボードはMicro-ATXサイズとなり、MSI製の「H97M-S01」が採用されている。M.2コネクタなどの最新端子もしっかり搭載している

リファレンスモデルと同形状のGPUクーラーを搭載した、MSI製のGeForce GTX 960。GPUの熱を直接ケース外へと排気する

メモリには、動作電圧1.35Vで動作するDDR3L-1600×1枚を搭載している。8GBのシングルチャネル動作となる

HDDは東芝製の500GBモデル。ケースのフロント側に縦に固定するという、珍しい設置方法を採用している

電源は数々の有名PCに採用されている老舗AcBel製。BTOカスタマイズで選択可能な700Wという大容量の製品が装備されている

「ID8i-GS5150-i5-RMB」の基礎性能をベンチマークでチェック!

最後に、各種ベンチマークで「ID8i-GS5150-i5-RMB」のPC性能を総合的に確認しておこう。「WIN SCORE SHARE」を利用して確認したWindowsエクスペリエンス インデックス スコアの結果は、プロセッサ・メモリが「8.0」、グラフィックス2項目は「8.3」と、しっかりと8を超えてきている。ストレージがHDDであるため、プライマリディスクのスコアは「5.9」止まりだ。「CrystalDiskMark」の結果も、やはりHDDの域を出ない。よりWindowsやアプリケーション、ゲームの起動速度を快適にしたいなら、SSDの追加を検討するのもいいかもしれない。

「WIN SCORE SHARE」によるWindowsエクスペリエンス インデックス スコアの結果

「CrystalDiskMark」による東芝製500GB HDDのベンチマークの結果

PCの総合的な能力を測る「PCMark8 Home accelerated」の結果は「4512」と優秀。Webブラウジングや画像編集などの日常使いで、不満を感じることは少ないだろう。「3DMark」のスコアはゲームのベンチマークに準じて軒並み高く、解像度1920×1080という範囲でゲームを遊ぶなら、最新のゲームでもしっかりと対応できそうだ。

「PCMark8 Home accelerated」のベンチマークの結果

「3DMark」のベンチマークの結果

ゲームを確実に遊ぶことができる、コストパフォーマンスの高いモデル

ここまで確認した通り、「ID8i-GS5150-i5-RMB」は一般的な解像度でPCゲームをプレイするなら、非常に優秀なゲーミングPCといえそうだ。それを裏付けるように多数のゲームタイトルの推奨も取得しているため、「目的としているゲームが動くだろうか?」という心配はなく、安心して購入できる。しかも、確かな性能を備えながら10万円を切るリーズナブルな価格も大きな魅力。折しも昨今は円安のあおりでPCパーツが高騰気味。そんな時期こそ、PCはコストパフォーマンスを重視して選びたい。2015年のゲーミングライフを楽しむにあたり、IIYAMAブランドの「ID8i-GS5150-i5-RMB」は基準となる一台といえるだろう。

標準スペック

メーカー iiyama PC (ユニットコム)
型番 ID8i-GS5150-i5-RMB
CPU Intel Core i5-4590 (3.3GHz、TB時3.7GHz)
チップセット Intel H97 Express
メモリ DDR3-1600 8GB (8GB×1)
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 960
ストレージ 500GB HDD
OS Windows 8.1 Update 64ビット
インタフェース USB 2.0ポート×2、USB 3.0ポート×6、PS/2ポート×1、マザーボード側ディスプレイ出力(miniD-sub15Pin×1/DVI-D×1/DisplayPort×1)
LAN 1000Base-T / 100Base-TX / 10Base-T
価格 99,980円 (税別)

価格、仕様は予告なく変更となる場合があります。最新の情報はiiyama PCのサイトをご覧ください。