AFは、内蔵したリードスクリュータイプのステッピングモーター(STM)によって、ほぼ無音でスムーズに作動する。AFスピードは実用レベル。動きの激しいスポーツシーンを撮るのは、そもそも「EOS M2」のAF性能では難しいが、ゆっくりした動きのポートレートなら問題なくピントが合う。

【左】マニュアル(F4.5 1/125秒) ISO400 ホワイトバランス:太陽光 焦点距離:55mm(原寸大画像を見る) 【右】マニュアル(F6.3 1/50秒) ISO800 ホワイトバランス:オート 焦点距離:156mm(原寸大画像を見る)

コンパクトで低価格な望遠ズームとしては、写りは良好といっていい。特に、画像中央部ではシャープネスの高い描写が得られる。絞り開放値の場合、四隅にはやや甘さが見られるが、絞りを1~2段絞り込むことで改善できる。周辺減光や色収差、歪曲についてもそれなりにあるが、気になる場合はRAW現像時に簡単に補正できる程度だ。

下の写真は、長時間露光でとらえた夜の工場群だ。望遠ならではの遠近の圧縮効果によって工場の設備が凝縮され、引き締まった絵になった。また、絞りを絞り込んだことで、光源の部分にはきれいな光芒が生じている。

【左】マニュアル(F8 4秒) ISO400 ホワイトバランス:オート 焦点距離:112mm(原寸大画像を見る) 【右】マニュアル(F11 15秒) ISO400 ホワイトバランス:白熱電球 焦点距離:124mm(原寸大画像を見る)

ルーペ付き液晶フードを装着した状態

なお今回の撮影では、EOS M2に市販のルーペ付き液晶フード(モニタリングルーペ)を装着した使用した。ふだん広角や標準ズームで撮る際は、"素"の状態で使うことが多いが、望遠ズーム使用時はフードを使って顔にカメラを押し付けるスタイルのほうがカメラが安定し、使いやすく感じたからだ。ルーペ付き液晶フードは安価なものなら数千円で買えるので、屋外での視認性やホールディングの安定感を高めたい人は検討してみるといい。

(クレジット) モデル:砂川陽香