オムロンヘルスケアは、音波式電動歯ブラシ「メディクリーン HT-B306」を9月1日から発売する。初めて電動歯ブラシを購入する人たちをターゲットにした製品で、買い換え需要や高機能モデルが中心となる量販店ルートは活用せず、初めて購入する人が多い薬局やドラッグストア、GMS向けの専用製品とする。

音波式電動歯ブラシ「メディクリーン HT-B306」および「HT-B305」

オムロンヘルスケア 国内営業本部 マーケティング部商品企画課・山田聡氏

HT-B306は、同社の「メディクリーン」シリーズのなかで最軽量、コンパクトサイズを実現した製品で、3次元に動く独自の立体微振動「マルチアクション音波」を採用。1分間に約2万5,500回の高速振動ですばやく歯垢を除去する「クリーンモード」により、「磨きにくい部位まですみずみ磨けるのが特徴であり、手みがきの約5倍の歯垢除去力を実現している」(オムロンヘルスケア国内営業本部マーケティング部商品企画課・山田聡氏)という。

クリーンモードのほか、縦振動により磨きにくいところまで毛先が入り込む「ポイントケアモード」、縦横の振動を交互に繰り返し、心地よい刺激で歯茎をマッサージする「マッサージケアモード」を用意。「ペンスタイルの持ち方でのブラッシングが可能で、正しく、持ちやすい形で磨くことができる」という。

メディクリーン HT-B306

オムロンの電動歯ブラシの特徴である「マルチアクション音波」

さらに、今回の製品では、歯の表面のステインを効果的に除去する「極細スパイラルブラシ」を新たに追加したのが特徴だ。らせん状の「極細スパイラル毛」の表面の凹凸が、歯の表面に付着したステインを、効果的に掻き取るという。

また、歯垢除去に効果的な「トリプルクリアブラシ」、やわらかい毛先がソフトに歯垢をかき出す「極細マイルドブラシ」、歯のすき間や磨きづらい部位をピンポイントで磨く「すき間みがきブラシ」も付属。4種類のブラシを使い分けることで、歯周病や歯ぐきの衰え、口臭、歯の着色汚れといった、悩みに合わせたケアが可能となる。

新たに追加した「極細スパイラルブラシ」

4種類のブラシを用意している

歯ブラシ市場は、ほぼ横ばいで推移しているが、歯磨き粉や洗口液、電動歯ブラシ、歯間清掃具などのケア器具は拡大傾向にある。

「定期健診受診の増加とともに、口腔内衛生(オーラルケア)への関心は年々高まっており、虫歯や口臭防止、歯周病予防のために、手みがきよりも簡単に歯垢を取り除くことができる電動歯ブラシの需要が拡大している。なかでも、電動ブラシでは、量販店およびドラッグストアともに乾電池式の市場が縮小。一方で充電式は、台数、金額ともに成長している」という。

だが現在、電動歯ブラシ使用者は22%に留まっており、「まだまだ市場のポテンシャルは高い」とする。

一方、同社の調査からはオーラルケアに興味がある顧客はドラッグストアの歯ブラシ売り場を訪れる傾向が強いことがわかっており、「手みがきから電動歯ブラシへとスイッチする場所としてドラッグストアが適している」と判断。今回の製品では、全国の薬局やドラッグストアでの販売とし、「初めて電動歯ブラシを購入する人たちをターゲットにしていく」としている。

「電動歯ブラシの未使用者である78%のうち、約50%が使ってみたいが使う機会がなかった、あるいはブラシのメリットがわからなかったという人が占めていた。ブラシの種類を多くすることで、自分の目的にあった電動歯ブラシの提案ができる。オムロンは、ドラッグストアでは現在2位だが、今回の製品投入によって同販売ルートにおけるシェア1位を目指す」と意気込む。

電動歯ブラシの市場動向

一方、同社の調べによると、オーラルケアで重視する点では、「高い歯垢除去力」「歯ぐきにやさしい」「ホワイトニング力」という声が多い。また、電動歯ブラシの購入においては「重さ」「大きさ」が重視されるほか、「持ちやすさ」を求める声が多いという。

オーラルケアの目的・実施状況(左)、電動歯ブラシの使用状況(中)、電動歯ブラシの購入場所(右)

今回発売する「HT-B306」は、ブラシを含めて46gと軽量化を実現。ブラシを含んだ全長は約195mm。幅は約18.8mm、奥行きは約18.8mm。従来製品と比較して、本体の長さは約45mm短く、重さは約2g軽量化したことで、手みがきと同じスタイルでブラッシングが可能になるのが特徴だ。「小型化、軽量化は、初めて電動歯ブラシを利用する人にとってみると重要な要素になると考えている」という。

40代以降に多い購入者層(左)、加齢により「歯周病」「歯のすき間、歯ぐきやせ」が気になる人が増える(中)、小型軽量になった新製品(右)

本体では、凹凸の少ないデザインを採用。段差に汚れがたまりにくい設計としているほか、防水設計で水洗いも可能。本体に付いた歯磨き粉などの汚れを手軽に洗い流すことができる。ブラシの交換もこれまでは回転させて脱着していたが、新製品では差し込むだけの手軽さがある。

また、充電方式を採用。10時間で満充電となり、2分間の歯磨きを1日2回行っても、7日間連続で使用できる。

電池残量が少なくなると「充電お知らせランプ」で通知。付属の充電器は、幅約51mm、高さ約27mm、奥行き約30mm。従来製品と比較して約25%小型化しており、洗面台の限られたスペースでも邪魔にならない。

本体サイズの長さは従来製品に比べて約45mm短くなっている(左)、充電器も約25%小型化している(右)

本体カラーはホワイトを用意。さらに、同社では、付属ブラシをトリプルクリアブラシに絞った「HT-B305」も同時に発売する。同製品の本体カラーはピンクとなる。価格はいずれもオープンだが、市場想定価格は、HT-B306が3,980円、HT-B305が2,980円。

今後1年間でHT-B306では20万台、HT-B305では12万台の販売を目指す。

なお、交換用ブラシとして、それぞれのブラシを2本セットで用意。極細スパイラルブラシの価格は800円、トリプルクリアブラシが600円、極細マイルドブラシが600円、すき間みがきブラシは800円となっている。