教育機関向け「Office 365 Education」国内ユーザー170万人を突破
日本マイクロソフトは5月22日、東京都内で記者会見を開き、教育機関向けの無償クラウドサービス「Office 365 Education」の国内ユーザー数が170万人を突破したことを発表。高い信頼性や機能性、コスト面で教育期間や学生をバックアップする。
会見で登壇した日本マイクロソフト 業務執行役員 オフィスビジネス本部長のキャロラン・ゴールズ氏は、昨今飛躍的な伸びを見せる「Office 365」の現況を語った。冒頭、日経225銘柄企業の約60%が既にOffice 365を導入している一方、導入企業の約90%が中小企業であると述べた。これは、企業規模の大小や業態・業界を問わず、Office 365が様々なニーズに対応して最適なプランを選択できることにも起因しているだろう。
次いで登壇した日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター統括本部 文教本部長の中川哲氏から、「Office 365 Education」の利用者数が170万人を突破(※2014年5月22日現在)し、高等教育機関の3人に1人が利用している計算になるなど、国内最大級の教育向けサービスへと成長したことが発表された。
さて、文部科学省の音頭によって教育機関のICT化が加速されるなか、飛躍的な成長を遂げた「Office 365 Education」の提供プランをおさらいしておこう。
文教におけるICT化を豊富な機能で無償サポートする「A2」「卒業生用」に加え、高度なセキュリティ性能や「Office 365 ProPlus」が利用可能な有償プラン「A3(教職員:410円、学生:230円)」「A4(教職員:540円、学生:270円)」も用意され、教育機関の求めるニーズに対してベストなソリューションを展開しているのが特徴だ。
また、ボリュームライセンス(EES/OVS-ES)を契約している特典もある。最新のクラウド版Office(ひとり5台のPC/Macで利用可)を、学生が追加費用なしで利用できる「Student Advantage」を新たに提供。学習環境の充実化はもちろん、ビジネスシーンでも必須とされる「Word」「Excel」「PowerPoint」などのスキル修得にもつながる。マイクロソフトとしても、将来を担う若者を全力でサポートする。
会見の席上では、実際に「Office 365 Education」を導入した教育機関の、大学法人東京理科大学、国立大学法人大阪大学の担当者よりメッセージが寄せられた。東京理科大学では、在校生2万5,000人、教職員2,000人、卒業生18万人の延べ約20万人が利用するコミュニケーション基盤を構築。昨今注目を集める少人数教育において、メンバー同士のコミュニケーションに「Lync Online」を、レポートの提出に「SharePoint」を利用するなど、教育研究のグローバル化に役立っているという。
一方の大阪大学では、総長より「メールサービスは生涯提供すべき」との声のもと、約20万人規模の環境構築を模索したという。コスト面などを鑑み、現実的な帰結としてマイクロソフトのソリューションを採用したという。採用の決め手となったのは、多言語対応であることに加え、有事の際に国内法が適用されることを挙げるとともに、高いセキュリティ性能への信頼もうかがえた。
また、中等教育での採用事例として、福島大学主催による東北被災3県の9市町村から、100名の中高生に対して人材育成を行う「OECD東北スクール」の取り組みも紹介された。中高生が1カ所に集まるのが難しいという問題を、オンライン上でディスカッションすることで解決するなど、共同作業やプレゼンテーションに大いに役立っているという。
会見の席上で日本マイクロソフトの中川氏は、今後は小学校、中学校、高等学校へのキャッチアップを強化していくと述べた。加えて、学内でのソーシャルネットワーク構築・運用に「Yammer Enterprise」を近日提供する予定であること、また「Office 365 Education」ユーザーにおいても、「OneDrive for Business」の1人あたりの容量を25GBから1TBへ拡大することが明かされた。
世界のボーダレス化が進み、一層のグローバル社会へと突き進んで行くであろうこれからの日本。その日本を背負い、担っていく若者に対して、全面的なバックアップをコミットする日本マイクロソフトの活動に注目していきたい。