スマホの月額料金が安く抑えられるMVNOサービスが、ここ最近注目を集めている。本稿で紹介する「hi-ho LTE typeDシリーズ」は、必要な分だけチャージして高速通信できるLTE/ 3G通信対応のSIMカードを提供する通信サービス。SIMカードのみのコースに加え、SIMとタブレットをセットで利用できる「SIM+端末セットコース」が用意されている点が特徴だ。

月額933円の低価格から始められる「hi-ho LTE typeDシリーズ」

SIMのみのコースは、月額933円の「ミニマムスタート」、10,000円/ 1年で利用できる「ミニマムスタート1年パック割」、SIMカードが3枚付属する月額1,409円の「アソート」、家族で利用できる「ファミリーシェア」の4コースで展開する。4月1日からファミリーシェアでは毎月3GB、そのほかの3コースでは毎月1GBの高速データ通信量がバンドル(付与)される。

SIMのみのコースの料金表。現在キャンペーン中のため、様々な特典が用意されている。例えば4月末日までにファミリーシェアを契約すれば、月額2,838円で利用可能だ

SIM+端末セットコースは、7インチのタブレット「Google Nexus 7(2013)」が利用できる「ミニマムスタートwith Nexus 7【LTE】」と、10インチのタブレット「ASUS MeMO Pad FHD10」が利用できる「ミニマムスタートwith ME302【LTE】」の2コースで展開する。

どちらも利用料金は月額2,361円で、毎月1GBの高速データ通信量がバンドルされる。やはり2,361円で始められるのは大きな魅力。というのも、個別に端末を購入した場合はそれなりに初期費用がかかるからだ。参考までに原稿執筆現在、Nexus 7(2013)の32GB LTEモデルは39,800円、MeMO Pad FHD10 LTEモデルは46,800円ほどの市場価格となっている。

SIM+端末セットコースの料金。7インチのタブレットNexus 7(2013)と、10インチのタブレットMeMO Pad FHD10が選択できる

なお両コースともにバンドルのデータ通信量の残量がなくなった場合は通信速度が200kbpsに落ちるが、350円/100MBでチャージできる仕様となっている。

通信環境については、NTTドコモのLTE「Xi」および3G「FOMA」通信網に対応しており、広い範囲でストレスなく通信が利用できる。東京、愛知、関西の一部地域では、受信時最大150Mbpsの高速通信が利用可能だ(対応機種・エリアはNTTドコモのWebサイトを参照)。

※ 今回紹介しているNexus 7(2013 LTEモデル)、MeMO Pad FHD10 LTEの両端末での利用時は、受信時最大100Mbpsとなる。

続いて、hi-ho LTE typeDシリーズと同様の他社サービスを比較してみたので紹介する。簡単に説明すると、NECビッグローブが提供する「BIGLOBE LTE・3G エントリープラン」は「hi-ho LTE typeD ミニマムスタート with Nexus 7【LTE】」より月額100円ほど高く、通信制限時に最大128kbpsしか出ない。一方で、「So-net モバイルLTEハイスピードMプラン」は、hi-hoより月額500円弱ほど割高だ。そのかわり、高速通信の使用制限が3GB/ 月となっている。hi-ho LTE typeD導入の際に参考にしていただければ幸いだ。

■ LTE版Nexus 7とSIMカードをセット提供するサービスの比較(金額は全て税抜)
hi-ho LTE typeD ミニマムスタート with Nexus 7【LTE】 BIGLOBE LTE・3G エントリープラン So-net モバイル LTE ハイスピードMプラン
月額料金 2,361円 2,436円 2,841円
通信速度
下り最大100Mbps/上り最大37.5Mbps
通信速度制限 約366MB/3日間 360MB/3日間 制限なし
高速通信の使用量上限 1GB/月(バンドルチャージ) 1GB/月 3GB/月
高速通信の使用量追加 350円/100MB 300円/100MB 500円/100MB ※2014年7月まで月間使用総量での制限は行わない
制限時の通信速度 最大200kbps 最大128kbps 最大150kbps
初期費用
3,000円
最低利用期間
2年


どのような使い方が可能? hi-ho LTE typeDの活用法を考える

ここまで、hi-ho LTE typeDシリーズがどんなサービスか紹介してきたが、同サービスはどのような使い方が考えられるだろうか? 利用例をいくつか紹介しよう。

例えば、キャリアの提供するメールアドレスは使用しない、友人とはLINEやSkypeなどで連絡を取り合う(ので音声通話はできなくて良い)、という人であれば同サービスで運用するスマートフォンをメインの端末として利用できる。4月から新生活をはじめる学生などに、大きな需要があるだろう。また、すでにフィーチャー・フォンやすでにスマートフォンを持っている人などは、2台目のスマートフォン/ タブレットを格安で運用できるメリットがある。

このほか、親が子どもにスマートフォンを買い与えるケースでも利用できそうだ。同サービスなら運用コストが抑えられるだけでなく、「スマホの利用は月に1GBまで」といった"使いすぎ抑止策"も実現できる。もっとも、家族で利用する場合はファミリーシェアコースの利用も検討したいところ。ファミリーシェアプランでは、3枚のSIMカードで3GBまでの通信が可能だ。夫、妻、子どもの3人で使用する、妻のタブレットと子ども2人のスマートフォンで使用する、など組み合わせはユーザーの自由である。

hi-hoのSIM+端末セットコースでは、7インチか10インチのタブレットが選べる。移動中にニュースをチェックする、電子書籍を読む、などの使い方をするのであれば軽くて薄い7インチタブレットが便利そうだ。主婦がリビングでネット通販を利用する、キッチンでレシピを参照する、あるいはシニアユーザーの使用を想定している場合などは、画面が大きくて見やすい10インチのタブレットをおすすめしたい。

(執筆:大石はるか)