さらに今回の取締役・役員人事では、インドでの事業強化が隠れた目玉となっている。

成長の柱を担っていたオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社の社長を務めている山田喜彦代表取締役専務は、代表取締役副社長に昇任するとともに、新設する海外戦略地域担当となり、インドに駐在。インドのほか、中東やアジアなどの新興国地域の事業を担当することになる。取締役がインドに駐在するのは初めてとなる。また、パナソニック インドの伊東大三社長は、パナソニック本社の役員に昇任するとともに、インド・南アジア・中東阿総代表に就任し、インドから統括。これによりインドには、代表権を持った取締役副社長と、役員が常駐するという体制が構築される。パナソニックがインド市場を極めて重視していることがわかるだろう。

そして、もうひとつのポイントが、4つのカンパニーの社長全員が、代表取締役専務に昇格することだ。

オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社社長に就任する伊藤好生氏は、現在の常務役員から、4月1日付で専務役員に昇格。さらに、6月26日付で代表取締役専務に就任する予定だ。

また、AVCネットワークス社社長の宮部義幸氏が常務取締役から代表取締役専務に、エコソリューションズ社社長の吉岡民夫氏が取締役から代表取締役専務にそれぞれ昇格。これにより、アプライアンス社社長の髙見和徳氏とともに、4カンパニーの社長が代表取締役専務となる。

新たな体制については、3月下旬に開催される同社の事業戦略説明会で明らかになりそうだが、BtoBとBtoCで組織体制を明確に分類し、そのうえで成長戦略を描く姿勢を明確にしたといえよう。