KDDIが打ち出した「つながる力」戦略とは?

通信障害の対策から利用者満足度の向上に向き合う経験をしたKDDI。LTEスタートから1年、あたらしいau 4G LTEとして「つながる力」と銘打った戦略を打ち出した。その中心となるのが、800MHz帯をベースにした「マルチバンドLTE」の活用だ。マルチバンドLTEとは、ひとつの周波数帯だけでなく複数の周波数が利用できるLTE通信のこと。2.1GHz帯はKDDIはもちろん、docomo、ソフトバンクと日本のキャリアが使っているが、田中社長は、800MHz帯をメインに、2.1GHz帯、1.5GHz帯を加えた3つのバンドを活用した通信を展開していくと発表した。

KDDIのマルチバンドLTEは800MHz帯、2.1GHz帯、1.5GHz帯の3つのバンドから構成

はたして、マルチバンドにすることでどんなメリットがあるのだろう? 800MHz帯を加えたトリプルバンドによるメリットをKDDIでは「あたらしいau 4G LTEの『つながる力』」と称して3つ挙げている。

「つながる力」のポイントその1:どこでもつながる力

実はKDDIは2013年8月末現在で、800MHz帯の実人口カバー率が97%。LTEがカバーされていない場所でスマートフォンを使おうとしたら3G回線に切り替わって不便だった思いをした人が少なくないと思うが、KDDIは800MHz帯の基地局の数は他キャリアよりダントツで多く、800MHz帯を使った通信に強みがある。そして、2014年3月には800MHz帯が使える場所の面積を約1.5倍に広げ、実人口カバー率を99%にまで上げるという。どこでもLTEによる快適な通信ができるのがひとつのメリットだ。