近ごろ密かな人気を集めているのが「ハイレゾ」。映像方面にも使われる言葉だが、ここで話題にしたいのは解像度が高い(High Resolution)音楽のこと。厳密な定義はないが、音楽CD(44.1kHz/16bit)を上回る情報量の音源と、それを忠実に再生するオーディオ環境と考えればいいだろう。

音源のファイル形式は、当然ながら無圧縮または可逆圧縮(ロスレス)を使用する。MP3やAACといった圧縮音源は、圧縮(エンコード)する際に高音域がバッサリと切り落とされてしまうため、原音にあったはずの高音域の生々しさが損なわれてしまうからだ。現在のところWAVとFLAC、再生環境は限定されるもののDSD(Direct Stream Digital)が、ハイレゾで主流のファイル形式といえる。

最終回となる今回は、LaVie Zでのハイレゾ再生の方法をご紹介しよう。

ハイレゾ音源はPC側ではなく、外部のUSB-DACで再生したほうがハイファイな音を楽しめる。ノイズ耐性に優れたUSBケーブルを使用するなど、アクセサリにもこだわりたいもの(写真のケーブルはクリプトン「UC-HR」)

■主な仕様   [製品名] LaVie Z LZ750/LS   [CPU] Intel Core i7-3537U(2GHz)   [メモリ] 4GB   [ストレージ] 256GB SSD   [光学ドライブ] なし   [グラフィックス] Intel HD Graphics 4000(CPU内蔵)   [ディスプレイ] 13.3型ワイド(1,600×900ドット)   [テレビ機能] なし   [OS] Windows 8 64bit  

LaVie Zは「ハイレゾ」向き?

なぜハイレゾをLaVie Zで……と疑問を感じるかもしれないが、実際のところPC抜きにハイレゾの再生環境は構築しにくい。Super Audio CD(SACD)などCDを上回る情報量の光ディスク規格もあるが、iPodの登場以来急速に進行したオーディオのデジタル化もあり、ユーザの多くはファイルの形でサウンドライブラリを持つことを選んだ。NASやメモリカードなどに(ハイレゾの)音源を保存し、それをPCのサウンドプレイヤーソフトで再生して外部のオーディオ機器に出力して聴く、というスタイルが一般的だ。

それに、ハイレゾを楽しむにはノートPCが適している。特にLaVie Zの場合、内蔵ディスクがHDDではなくSSDであり、内部のノイズ発生源はデスクトップ機に比べ少ない。繊細さがキモの音源にとって、「ジッター」と呼ばれる信号の時間的なズレや揺らぎは排除すべきもので、その発生源とされるHDDやドライブ類は、他のデバイスに置き換えるか除去するほうがいいからだ。

ハイレゾ音源(FLAC 88.2kHz/24bit)を再生しているところ。スペクトラムアナライザを見ると、20Hz~16,000Hz程度といわれる可聴帯域の上限を超える音が含まれていることがわかる

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