ASUSTeK Computerは、COMPUTEXTAIPEI 2013が開催中の台湾・台北市でプレスカンファレンスをおこない、同社ゲーミングブランド「R.O.G.」の新型マザーボードなど新製品群を一斉発表した。Haswell登場で盛り上がるLGA1150マザーボードでは、R.O.G.ブランドのMini-ITXマザーなど、Haswellの販売解禁時には未発表であった新モデルも初お目見えとなっている。

R.O.G.のプレスカンファレンスで新製品をアピールするASUSのJonney Shih会長。ノートPCなど中心に発表したこちらの開幕前日イベントでは、スーツで決めて"ドヤ顔"連発だったが、このR.O.G.イベントでは、"高性能マザーボードはASUSのスピリットだあああああ(どっかーん)"といった感じで、終始かなりハジケていた

MAXIMUS VI IMPACT (と、超小型GTX 670カード)

MAXIMUS VI IMPACTは、ゲーマー/オーバークロッカー向けハイエンド志向のR.O.G.製品でありながら、コンパクトなMini-ITXフォームファクタを採用した、こう書くと一見矛盾したIntel Z87 Express搭載マザーボード。あわせて、GeForce GTX 670搭載でありながら、基板長を極端に短くし、Mini-ITXケースへの内蔵を可能としたグラフィックスカード「GTX670 DirectCU Mini」も公開された。この2製品を組み合わせることで、フルサイズPC並の高性能を、Mini-ITXでも実現できるというわけだ。

「MAXIMUS VI IMPACT」と「GTX670 DirectCU Mini」

「MAXIMUS VI IMPACT」なら、Mini-ITXの小型キューブPCでハイエンド性能を目指せる

「GTX670 DirectCU Mini」のカード長はMini-ITXサイズと同じ短さ

MAXIMUS VI IMPACTでは、Mini-ITXサイズのマザーボード上の空間に収まるかたちで、追加基板として8+2フェーズの電源回路、高音質サウンドユニット「SupremeFX Impact sound card」、インタフェースカード「mPCIe Combo II card」(IEEE 802.11ac/Bluetooth 4.0コンボ)、OC用の各種ボタン等を実装することで、高機能を詰め込んでいる。なお、基板上の拡張スロットはPCI Express (3.0) x16が1本で、メモリスロットは2本を確保している。

拡張スロットはPCI Express (3.0) x16。CMOSクリアやMemOK機能のボタン、デバックLEDなどはバックパネル部に設置

電源回路やサウンドユニットを追加基板で実装することで、なんとかMini-ITXサイズに収めている

大型のCPU冷却ファンを載せたデモ展示もあったが、こうなるともう基板が全然見えない

同マザーボードについて、発売時期は未定だが、日本市場向けの発売予定は存在するという。価格は現時点では非公開。

MAXIMUS VI FORMULA (と、水/空両対応のGTX 700番台カード)

MAXIMUS VI FORMULAは、6月2日のHaswell CPU発売と同時に発表された「MAXIMUS VI EXTREME」と「MAXIMUS VI HERO」の間に入る新モデル。Intel Z87 Express搭載のLGA1150対応ATXマザーボードだ。その既存両モデルとの最大の違いとして、同社の「TUF」シリーズの様な、マザーボード全体を覆う「Dual-cover Aemor」と呼ばれるカバーを装着しているという特徴がある。

アーマーカバーが目を引く「MAXIMUS VI FORMULA」。ちょうど同社TUFシリーズの「SABERTOOTH」ようなカバーで基板を覆っている

マザーの表裏を覆うこのDual-cover Aemorの効果としては、まずはボード上のエアフローの整流などで冷却効率を高めるほか、重量級のパーツを搭載してもボードが歪みづらいという堅牢性の実現、そして見た目が"カッコイイ"などが挙げられるだろう。また、電源回路などを冷やすヒートシンクは、別途水冷ユニットを装着できる構造になっており、さらに冷却能力を向上させる余地も備えている。ほか、新規の電源回路や、S/N比120dBのオーディオ回路の実装、IEEE 802.11ac/Bluetooth 4.0コンボのmPCIeカードの同梱など、かなり豪華な製品仕様となっている。

この後紹介する「POSEIDON」(空冷運用)を搭載した状態の「MAXIMUS VI FORMULA」デモ実機

「MAXIMUS VI FORMULA」の主な特徴をまとめたスライド。ヒートシンクがデフォルトで水冷化に対応している

ほか、電源回路部分で60Aの高性能チョークの採用も特徴としていた

あわせて発表されたのが、冷却システムを水冷と空冷の両対応にしたグラフィックスカード「POSEIDON」だ。空冷でも十分な性能を備えるが、水冷化することでさらに温度を31度下げることができるとしていた。イベントでは、MAXIMUS VI FORMULAとPOSEIDONを組み合わせ、共有の水冷ユニットで冷却システムを構築することで、最高のゲーミングマシンを作り上げることができるという自作例も紹介していた。

冷却システムを水冷と空冷の両対応にしたグラフィックスカード「POSEIDON」

「MAXIMUS VI FORMULA」と「POSEIDON」を組み合わせた水冷システムも展示

MAXIMUS VI FORMULAについては、発売日/価格ともに未定だが、日本市場でも近日登場する見込みとなっている。一方POSEIDONはまだ完全に製品化されたカードではないらしく、搭載GPUもGeForce GTX 700番台とのみアナウンスされており、具体的には未定という状態で、もちろん発売日や価格などは決まっていないとのことだった。

「POSEIDON」は、水/空両対応の冷却ユニットの内部が見られる分解展示もしていたが、そこでもGPUチップそのものはシールで見えない状態になっていた

ほかイベントでは、MAXIMUSシリーズの最上位モデルである「MAXIMUS VI EXTREME」のオーバークロック性能の高さを示す、有名オーバークロッカーらによるライブデモも行われていた。Haswellは、省電力化を進めるために電圧レギュレータをCPUオンチップにしているため、オーバークロックが高難易度という話もあったが、イベントでは、液体窒素も利用したオーバークロックで、そのHaswell世代のCore i7-4770Kを、6.8GHz以上までクロックアップして見せていた。

オーバークロックデモで「MAXIMUS VI EXTREME」の性能をアピール。HaswellでCPUクロック6.8GHz超えに成功していた