高倍率ズームレンズを使う
次に、EF-Sレンズの「EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS」を取り付けてみた。約11倍の高倍率ズームだが、約600gの重さがあるので、さすがにEOS Mとの重量バランスはいまひとつ。ただ、見た目よりは使いやすかった。カメラを持つというより、左手でレンズを持ち、右手で安定するようにカメラを押さえるような感じだ。このレンズは後述の「レンズ光学補正」の機能によって、周辺光量の補正や色収差補正ができるため、高倍率ズームレンズながら安定した画質で撮影できた。
全体として重く・大きくはなるが、広角から望遠まで1本でカバーできるので、何かと使い勝手のよいレンズだ(原寸大画像を見る) |
28本分のレンズ補正データをあらかじめ搭載
高価な単焦点レンズはともかく、高倍率ズームレンズやエントリークラスのレンズでは、周辺光量やレンズの色収差などが気になってしまうことがある。広角撮影時に見られる、画面の四隅がなんとなく暗くなるのが「周辺光量の低下」などと呼ばれるものだ。これをレンズに合わせて自動的に補正する機能が「レンズ光学補正」機能。
EOS Mには最初から28本のレンズデータが登録されており、対応するレンズを付けると自動的に、周辺光量の低下を補正してくれる。未登録のレンズでも、付属ソフトを使えばEOS Mにデータを登録できるが、純正レンズのみ対応だ。
色収差(≒色にじみ)は望遠撮影で気になることが多い。明るさの違う部分に、緑や赤の色が出てしまう現象だ。こんな時はEOS Mの「レンズ光学補正」-「色収差補正」を使うとよい。デメリットとしては、色収差補正を有効にすると、連写枚数が減ってしまうことが挙げられる。今回は「JPEG(ラージ)」で4枚ほど連写したところで「BUSY」マークが表示され、その後は1秒間に2枚ほどの連写になった。ただ、JEPGで1枚ずつ撮影している場合は気にするほどではないだろう。連写性能が落ちてしまうのを防ぐためか、初期設定では周辺光量補正だけがオンになっており、色収差補正はオフになっている。
「EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS」の18mm(広角端)で撮影すると、四隅がやや暗くなっていた(写真左)。右の写真は、レンズ光学補正の周辺光量補正を使って補正したもの(原寸大画像を見る。「写真左」・「写真右」) |
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