BiND6のプロフェッショナル版は29,800円

前回、WordPressとBiND for WebLiFE 6(以下、BiND6)とのコラボレーションについて見てきた。おさらいになるが、BiND 6はHTMLやCSSといった細かい調整が必要なコーディング要素を用いずとも最新のスタイリッシュなWebを簡単に個人でも作れてしまうソフトだ。その肝はデザイン性の高いテンプレートにある。

世界的規模で愛好者の多いCMS「WordPress」との連携では、さらに広がりを見せる。本来、WordPressのデザイン部分のカスタマイズはさらに難しいPHPなどの知識も必要になるが、BiND 6では、WordPress用のテンプレート(プロフェッショナル版にのみ収録)を使って、同様の操作で簡単に作り出したものを、WordPressのテーマとして簡単に適用できるのだ。

WordPressの更新は、スマホからでもOK。これが実にいいのだ

BiNDとWordPressとの連携には、もう一つ大きなメリットがある。一度公開したWebサイトを、スマートフォンやタブレットからもWordPressで更新できるという点だ。いつも身につけているスマートフォンやタブレットから、たとえばその場で撮った写真を使ってその場で記事を更新できるのだ。

筆者は、暇を見つけては山登りや都内を何時間もかけて行うことが多々ある。登山ではバイクで都内の住居から、長野や埼玉、山梨、群馬へと足を伸ばして山の麓に駐車し、そのままリュックを背負って山頂を目指している。そこでの楽しみのひとつは、大自然との遭遇だ。登山中、常に目に入る遠方の雪山の光景や、木々の緑の鮮やかさ、渓流の滝壺から弾けるようにあふれる音、そして突然飛び出してくる野生の鹿、どれも都内にいると味わえない興奮なのだ。

たいていの場合、一日での突貫登山になるので帰宅すると、疲れ果ててまったくPCに向かうことができない。新鮮な情景を新鮮なままに文字を起こしてブログに綴れられれば、大自然の魅力をそのまま公開できるのに、と思っていた。今回のWordPressとの連携機能は、こういうことをいとも簡単に実現する機能なのだ。山登りの最中に突然飛び出してくる鹿をスマートフォンで激写、野生の鹿の凶暴な側面とあどけない側面をその場で文字に起こし、自分のWebサイトへとアップロードする。もちろん、TwitterやFacebookもいいのだが、自分自身が保有するドメインに、屋外からアップロードするこの感覚は、感慨深いものがある。当然BiNDには、これらSNSへ向けて自動的に発信するウィジェットも用意されているので、一石二鳥にもなる。

使い方は、とてもカンタン。ただタブレットやスマートフォンでログインサイトにアクセスするだけでいい。通常のPCなどで見るデザインではなく専用デザインが適用されるのでサクサク更新できる。

Android端末用のログイン画面。ここにアクセスするだけで、感動を外から届けられる

専用のダッシュボード画面では、読みやすい大きなアイコンにカスタマイズ

フリック入力が得意な方はいつもの感覚で記事を更新できる

書き込みの内容は即座に反映されるのだ

記事や写真のアップロードだけではない。ダッシュボードからテーマの変更、ウィジェットの変更なども可能だ

ウィジェットの変更は、タッチパネルを活かして指先でドラッグ&ドロップ

タブレットを使うとタッチ操作もより行いやすい。実際に試してみたが、パソコン上とはまた異なった感覚で記事更新を楽しめるのも魅力だ。これだけ使えれば、更新作業のためオフィスや自宅のPCに貼り付く必要はないだろう。取材先や旅先、行き付けの喫茶店や散歩先の公園や図書館など、屋外の落ち着いた場所や先に述べたように必要な場所で簡単にアップロードできる。この醍醐味は是非体験して欲しいと思う。

普段使っているサーバーでBiND for WordPressを導入するには

前回の記事ではデジタルステージが提供するWebLiFE* サーバーを利用してみたが、普段から使っているレンタルサーバーを利用したいという人もいるだろう。そんな人のために同社では、BiNDで作成したデザインをWordPressテーマにするためのプラグイン「BiND for WordPress theme converter」を公開している。

WordPressから検索できるプラグインの中に「BiND for WordPress theme converter」があるので、WordPress上でこれを検索してインストールすればよい。

図左 サイドメニューの「プラグイン」から「新規追加」をクリック

図右 プラグインのインストール画面。ここでプラグインを検索する

「BiND for WordPress theme converter」をインストールすると、BiND専用のダッシュボードも使えるようになる。WordPressのダッシュボードももちろん日本語化されており、見やすいものなのだが、BiND専用ダッシュボードでは、余分なリンクが減らされて、よく使う機能は鮮やかな大きなボタンになるなど使いやすくなる。ストレートに操作へと進めるのが特徴だ。

WordPressのデフォルトのダッシュボード

BiND for WordPressダッシュボード。操作性を重視したものへと変更される

新しいダッシュボードのサイドメニューから「変換設定」をクリックすると、アップロードしたテンプレートをWordPress用のテーマに変換できる。重要なのは、変換するディレクトリ名を正しく入力すること。今回のケースでは、アップロードしたディレクトリが「/www/htdocs/wp/bind」なのでここには、「wp/bind」と入力し、上部の「適用」ボタンをクリックする。

新しくディレクトリ名を設定する。ここで適切なディレクトリを指定しないとテンプレートが正しく変換されない。上部の「適用」ボタンで変換が完了

変換がうまくいかない場合はサイトにアップロードしたファイルのアクセス権を見直してみよう。実は筆者も最初にここでつまずいたのだが、これでうまく動くようになった。プラグインの場合は、ここからさらにウィジェットの設定をする必要がある。ダッシュボード画面下のデザイン部分の「ウィジェットの設定」をクリックする。利用できるウィジェットが一覧表示されるので、ウィジェットを右側の「左サイドバー」にドラッグ&ドロップする。これで、作業は完了だ。サイトを表示させて、うまく表示されているか確認してみよう。

デザイン欄の「ウィジェット」の設定ボタンをクリック

中央のウィジェット一覧から利用するウィジェットを右端のサイドバー部分にドラッグ&ドロップする

トップページを更新すると設置したウィジェットが表示される。これでテンプレートの更新作業は完了

WordPressは、日本でも愛好者が多い。個人/法人を問わずレンタルサーバーやISPでもWordPressに対応するものもかなり多くある。「BiND for WordPress theme converter」を導入することで、BiNDで作成したテンプレートを余す所なくWordPressにテーマとして適用できるようになるのだ。WordPressユーザーには、テンプレートを使ったカスタマイズの容易さを、WordPressを利用したことのないBiNDユーザーには、WordPressが持つWorldWideな機能を得ることができるだろう。

今後、使えるテンプレートが増えてくれば、さらに充実した使い方も考えられる。WordPressはサイトを運用する上で非常に強力なツールだ。海外ではスタンダードなサービスだが、日本ではまだまだ知られていないWordPressをいち早く自分のWebサイトに導入してみてはいかがだろうか。