Apple製品の数多くのデザインを手がけ、同社の顔の1人としても知られるJonathan Ive氏だが、同氏が英BBCの子供向け番組に出演して語ったデザインにおけるポリシーが話題になっている。製品名とその完成形は密接な関係にあるというが……。
同件はCNETが報じている。もともとはBBCの子供向けチャレンジ番組「Blue Peter」で放映されたエピソードの1つだが、付属のiPlayerは視聴制限がかかっていることもあり、Tom Davenport氏が一部パートを抜き出したものをYouTubeに掲載して閲覧できるようにしている。
この中で、小さい子供が持ち込んだ弁当箱(ランチボックス)、ペンケース、通学カバンのすべての機能を持った"オールインワン"なバッグのデザインについてコメントを求められた際、Ive氏は「言葉」に注意しなければならないと前置きしている。例えば「ランチボックス」のデザインを考えるにあたり、「ボックス(箱)」という言葉の扱いについて考える必要があるという。「箱」という単語が出た時点で、そのアイデアが「四角」や「"箱"状の何か」というものにとらわれてしまい、アイデアの方向性を狭めてしまう可能性がある。同氏がデザインにあたって最も注意しているのはそのネーミングで、そのために方向性が決定されてしまうからだという。
もちろん完成品の名前とプロジェクト時点の名称は異なる可能性が高いが、こうした話を聞いてからApple製品を思い起こしてみると、何か違った視点で見ることができるかもしれない。