Webサイトの信頼性を評価するWOT(Web of Trust)アドオン

「危険なWebサイトは閲覧しない」とはよくいわれる。以前であれば、危険なWebサイトの多くが、いかにもそれらしい作りになっていた。しかし、ユーザーの目を欺くために、ごく普通のWebサイトを装うことが多くなってきている。そこで、Webサイトが本当に信頼できるか?そんな情報を知ることができるアドオンが、WOT(Web of Trust)である。インストールから始めよう。アドオンマネージャーで、「WOT」で検索する。今回の例では、一番上に見つかった(図9)。

図9 「WOT」で検索

[インストール]をクリックしてインストールを行う。再起動後に、WOTアドオンが有効になる。まずは、検索を行ってみよう。検索結果に緑の丸いアイコンがついている(図10)。

図10 検索結果に信頼性の評価がつく

WOTアドオンでは、「非常に優れている」「よい」「満足できない」「悪い」「非常に悪い」の5段階で評価する。さらに信頼性を評価する項目は、

  • 信頼性
  • 業者の信頼度
  • プライバシー
  • 子供の安全

の4項目で評価が行われる。マウスをアイコンの上に載せると、その評価が表示される(図11)。

図11 信頼性を評価する項目

さらに、緑のアイコンをクリックすると、詳細な評価内容やWebサイトの簡単なプロフィールなどが表示される(図12)。

図12 Webサイトの詳細な評価

危険なWebサイトは、どうなるかを見てみよう(決して、行わないでほしい)。まずは検索結果である(図13)。

図13 危険なWebサイトは赤く表示される

このように、赤いアイコンがつく。非常にわかりやすいだろう。詳細な評価は、図14のようになる。

図14 危険なWebサイトの詳細な評価

すべての項目で、評価が低いことがわかる。この評価であるが、ユーザーの自主的な投票によって行われている。実際にやってみよう。WOTアドオンをインストールすると、ツールバーにアイコンが追加される。それをクリックすると、図15のような評価ウィンドウが表示される。

図15 評価ウィンドウ

右下の[今すぐ登録]をクリックすると、WOTに登録することができる。WOTのWebページが表示されるので、[Register WOT]タブで必要項目を入力する(図16)。

図16 [Register WOT]タブ

再度、図15の評価ウィンドウに戻り、評価をしていく。右の自分の評価というインジケータがある。閲覧中のWebサイトに対し、このインジケータで設定していくだけだ(図17)。

図17 評価する

実際に評価した内容は、[マイページを表示]をクリックして、WOTのWebページの[My ratings]タブで確認することができる(図18)。

図18 [My ratings]タブ

図17で、右上にある[設定]をクリックすると、WOTアドオンの設定画面となる(図19)。

図19 WOTアドオンの設定画面

ここで、評価項目などを選ぶこともできる。今回は、WOTへユーザー登録を行ったが、行わなくても投票のみならば可能なようだ(ただし、自身がどう評価したかを後で確認できない)。図17の評価ウィンドウで、評価を行うだけでWOTに通知されるようである。

注意したいことが、いくつかある。このシステムは善意に基づくものだ。したがって、故意に評価を下げたり、不当に評価をあげるといった行為を排除できない。事実、一部のサイトなどで、そのようなことが行われたことがあるようだ。同じような機能を、セキュリティ対策ソフトの一部が提供している。こちらは、セキュリティベンダーの独自の判定基準をもって評価が行われている。ミスがないとはいえないが、それなりに信頼できるものだ。WOTアドオンの場合には、上述のようなこともあることを意識しておきたい。そのような評価を見破るには、どのくらいのユーザー数によって評価が行われているかをみるのも1つの方法である。多くの人が信頼できるとしているのであれば、信憑性は高いと推察できる。

そして、もう1つが、国内のWebサイトの評価するユーザー数が少ないことだ。ユーザー数が少ないということは、上述のような不正な評価が行いやすい。つまり、評価の信憑性が低いものが多いといえよう。この点も注意しておきたいことといえる。それ以上に、日本でのユーザーも増え、より安心して利用できるアドオンに成長することを期待したいものである。