街のあちこちがライトアップされ、夜景が華やかに輝く季節がやってきました。そんな都会の夜のイルミネーションは被写体としても絶好。デジカメ撮影時にちょっとの工夫で一段上の写真を実現するさまざまなワザとアイデアを紹介する本連載。第1回は、丸いボケを生かした夜景の撮り方をお伝えしましょう。
絞り優先AE(F1.8 1/80秒) 露出補正:±0 感度:ISO400 WB:オート カメラ:OM-D E-M5 レンズ:「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」(写真をクリックすると拡大します) |
鮮やかに輝くイルミネーションを見て感動し、夢中になってシャッターを切っても、撮った写真は意外と地味で、華やかさに欠ける……そんな経験はないでしょうか。遠くから全体を眺めると豪華に見えるイルミネーションでも、近寄って見てみると、実は個々の光源は意外と小さく、光源と光源の間隔も空いているので、そのまま写真に撮ってもあまり見栄えはしません。
イルミネーションから受けた印象や感動を「見栄えのいい写真」として記録するには、ちょっとした工夫が必要になります。その方法はひとつではなく、さまざまなテクニックが考えられますが、今回はまずイルミネーションを「丸いボケ」として表現する撮り方を実践してみます。
やり方はシンプルです。イルミネーションそのものではなく、イルミネーションの手前にある別の被写体を探して、そこにピントを合わせて撮るのです。下の写真は、花壇の花に焦点を合わせて撮影したもの。背景のイルミネーションはアウトフォーカスになり、無数の丸ボケとして再現されました。もちろん、肉眼ではこのような丸ボケは見えません。丸ボケは、写真ならではの効果といっていいでしょう。
絞り優先AE(F1.8 1/50秒) 露出補正:±0 感度:ISO400 WB:オート カメラ:OM-D E-M5 レンズ:「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」(写真をクリックすると拡大します) |
ピントを合わせる手前の被写体は、草や花以外にも、例えば街灯や標識、お店の看板、公園のオブジェ、あるいはアクセサリーやグラスといった小物なども役立ちます。下の写真は、オープンカフェのテーブルを利用して、ボトルやカップを撮影したもの。こうした夜景スポットでは、きらびやかなイルミネーションについ目を奪われますが、その周辺部にも目を向け、画になる被写体を探すことが、きれいな丸ボケ写真を撮るコツといえます。