日本AMDは11月3日、Piledriverコアを採用する第2世代AMD FXシリーズの発売を記念して、東京・秋葉原のUDX Galleryにて「AMD "Vishera"と未来(Trinity)」と題したイベントを開催した。
イベントにはスペシャルゲストとして、AMD コーポレートバイスプレジデント レスリー・ソボン(Leslie Sobon)氏が登場し、"Vishera"の開発コードネームで知られる第2世代AMD FXシリーズと、"Trinity"の開発コードで知られる第2世代AMD Aシリーズについて紹介を行った。
F第2世代AMD FXシリーズ(開発コード:Vishera)
AMD コーポレートバイスプレジデント レスリー・ソボン氏 |
まずは、2012年10月23日に発表されたばかりの第2世代AMD FXシリーズについて解説が行われた。CPUコアにはPiledriverを採用。前世代のBulldozerから、Branch PredictionやISA extentionの改善に加えて、L1 TLBキャッシュの増強、L2キャッシュの効率化などが行われている。
前世代のFXシリーズ(開発コード:Zambezi)と比較して、CINEBENCHやPovRAYといったベンチマークテストではそれぞれ15%のパフォーマンス向上が見られたとしている。また、同じGPUを搭載したグラフィックスカードを搭載したシステム同士で比べても、10~20%ほど性能がアップしたという。
ソボン氏は「このアーキテクチャは、2006年のベンチマークに勝つためではなく、マルチコアやマルチスレッド、マルチタスクといった将来のソフトウェアに向けて設計されている」と話す。
また、「同価格帯の競合製品と比べて、コア数やスレッド数、動作周波数で上回っている」とソボン氏はFXシリーズのコストパフォーマンスの高さを強調する。FXシリーズの大きな特徴としてすべての製品で"アンロック"いわゆるオーバークロックに対応しており、追加のコストをかけなくてもパフォーマンスの向上を図ることができると説明する。
第2世代AMD Aシリーズ(開発コード:Trinity)
続いて2012年10月2日に発表された第2世代AMD Aシリーズのデスクトップ版も紹介。FXシリーズと同じく、CPUコアにPiledriverを採用。一方、GPUコアも1世代新しくなり、「Radeon HD 7000」となっている。
第1世代のAシリーズ(開発コード:Llano)と比較して、PCMark 7では25%、3DMark 11では37%のパフォーマンス向上が見られるという。
ソボン氏は第2世代Aシリーズについても、競合する製品に対する優位性として、コア数や動作周波数、コストパフォーマンスを挙げる。Aシリーズでも型番の末尾にKが付いたモデルはオーバークロックに対応している。Aシリーズの場合は、GPUを内蔵するため、CPUに加えてGPUのオーバークロックも可能だ。
また、ソボン氏は「『中には、競合製品にグラフィックスカードを追加すればいい』と思う人もいるかもしれないが」と前置きしつつ、「ローエンドの競合製品を組み合わせても、Aシリーズよりも価格は高く性能は上がらない」とする。
このほか、第2世代AシリーズでFM2に変更されたソケットについて、ソボン氏は「今後3年間にわたってSocket FM2を利用する」と明言し、「いま現在Aシリーズへの投資したとしても無駄にならない」と話した。
会場にはマザーボードやグラフィックスカードがずらり展示
イベント会場ではSocket AM3+やSocket FM2対応のマザーボードに加えて、AMD製GPUを搭載したグラフィックスカードが多数展示された。すでに発売済みの製品が多かったが、中には日本国内未発表の製品の展示も行われていた。
各ベンダによるとFM2マザーではA85Xを搭載したモデルが人気で、フォームファクタとしてはマイクロATXやMini-ITXの売れ行きがいいという。
また、セッション終了時には各ベンダから提供された製品やノベルティが当たる抽選会(途中からじゃんけん大会)も実施。イベント参加者は大いに盛り上がった。