同時に発表されたiPhone 5に遅れること2週間ほどでようやく発売となった、iPod touchの第5世代モデル。第4世代モデルと比べてデザイン・スペックが大きく変更されたこの最新モデルは、まさに"フルモデルチェンジ"というにふさわしい。そんな第5世代iPod touchの、前モデルからの変更点・強化点について紹介しよう。

iPod touch 第5世代モデル

iPod touchを追いかけているユーザーにとってはこのモデルの発表(発表時のニュース記事はこちら)は待ちかねた一報だったに違いない。というのも、2010年に第4世代モデルが発表された後、2011年は新モデルの投入が見送られて、iOS 5を搭載してホワイトのカラーバリエーションが追加されるのにとどまっていたからだ。2007年の初代iPod touch発売以来はじめて、iPod touchの新モデルがないという希有な年となったわけである。

そんなブランクを経て登場した第5世代モデルは、待たされただけのことはあり、さまざまな点が強化・変更されている。もっとも大きな変更点といえるのが、通信・充電を行うための接続コネクタが従来の「30ピンDockコネクタ」から「Lightningコネクタ」へと変更されたことだろう。これはご存じのとおり、同時に発表されたiPhone 5や第7世代iPod nanoと同じ仕様変更。これにともない、30ピンDockコネクタを採用する従来のiPod/iPhone周辺機器との接続が単体ではできないようになった。接続するには、「Lightning - 30ピンアダプタ」のような変換アダプタが必要になる。

底部の中央にあるのがLightningコネクタ。これまで上部にあった3.5mmステレオヘッドホン端子もここに移動されている。右側の小さな穴は内蔵スピーカーだ

このコネクタ変更、不便といえば不便である。ただ今回、この第5世代iPod touchがApple TVを介してiPod touchの画面を大画面テレビに表示する「AirPlayミラーリング」にはじめて対応しただけでなく、iPod nanoではBluetoothを搭載した。こういったワイヤレスへの移行を進めたいというAppleの意図は、おそらくこのコネクタ変更にも影響しているだろう。

ヘッドホン端子は底部にあるため、上部はすっきり。電源オン/オフ・スリープ/スリープ解除ボタンのみがある

10月18日追記:記事初出時、今回のモデルチェンジに伴ってヘッドホン端子が上部から底部に移動したとの記述がありましたが、前モデルでもヘッドホン端子は底部に配置されていました。お詫びして訂正させていただきます。
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