パラレルスは30日、Mac上でWindowsやMac OS XなどのゲストOSを実行できる「Parallels Desktop」の最新版、「Parallels Desktop 8 for Mac」を発表し、同日よりアップグレード版のWeb販売を開始した。新規ユーザー向けおよびパッケージの販売は9月4日より。

価格は、通常版が7,900円、アカデミック版が3,900円、アップグレード版が4,900円。Windows環境からのデータ移行に利用できるデータ転送ケーブルが付属するSwitch to Mac Editionが9,900円となる。従来あった乗換版は、今バージョンでは用意されない。

Parallels Desktop 8 for Mac

Parallels Desktop 8 Switch to Mac Edition

今回のアップデートにより、最新のOS X Mountain Lionに対応。また、新MacBook ProのRetinaディスプレイでの動作もブラッシュアップされ、"完全対応"というのにふさわしい仕上がりとなっている。

最新OSへの対応も進んだ。ゲストOSのリストの中に「Windows 8 Release Preview」「Mac OS X Mountain Lion」といった項目があるのがおわかりだろうか

今回のバージョンアップでは、ベースOSとなるMountain Lionの機能と仮想マシン上で実行されるゲストOSの連携を強化したのがひとつのポイントとなる。例を挙げると、ベースOS側のSafariにゲストOS上のInternet Explorerでページを開くためのボタンを追加したり、「通知センター」にゲストOS側で発生したアラートを表示したり、LaunchpadにゲストOS上で動作しているアプリを表示したり、ドラッグ&ドロップでゲストOS上のメールソフトにファイルを添付したりといった機能が搭載された。また逆にゲストOS側でも、Windows上のアプリへの入力にMountain Lionの音声入力を利用したり、Windows上でMountain Lionのジェスチャーを利用したりといったことが可能になっている。

ベースOSでLaunchpadを起動したところ。ゲストOSのWindows上で動作しているそれぞれのアプリのアイコンが表示される

動作環境の強化という点では、前述のとおりMountain Lionに完全対応。Retinaディスプレイでの動作も、前バージョンを使用した際のように表示が極端に細かくなってしまうようなこともなく、適切な解像度で表示されるようになっている。ただし、現時点ではこの機能の対応がWindows Vista/7のみで、Windows XP実行時には表示が細かくなってしまうとのこと。Windows XPでの動作については今後のアップデートで対応予定という。

MacBook Pro Retinaディスプレイ搭載モデルでゲストOSのWindows 7を実行しているところ。前バージョンの環境ではこのときにWindowsの表示が細かくなりすぎてしまったが、今バージョンでは最適なサイズに、かつ細部まで緻密に表示されることを「拡大鏡」で確認

また、ゲストOSとの間のBluetooth共有、キーボード同期(ベースOSでキーボードの言語を変更するとゲストOSの設定も連動して変更)によってより使いやすくなった。Parallels Desktopを利用してプレゼンテーションを行なう際に便利なプレゼンテーションウィザードも搭載された。

プレゼンテーションの際に便利なウィザード

またパフォーマンス面においても、USB 3.0の高速転送に対応したほか、入出力操作で30%、ゲームグラフィックスで30%など、仮想マシンの動作が最大25%高速化(同社の社内ベンチマークによる前バージョンとの比較)。

Windows 8への対応に関しては、すでに30万人以上のユーザーがParallels Desktop上でWindows 8の各Preview版をダウンロードしており、そのフィードバックで対応を改善しているとのこと。現時点では、環境移行に利用する「Parallelsウィザード」からWindows 8 Release Previewを導入できるようになっており、正式版のリリース後にも同様の対応を予定しているという。